戦術は浸透中。新戦力にもチャンスはある W杯アジア2次予選のE組で暫定2位の日本だが、シリアは1試合多く消化しており、日本がここで連勝すれば来年3月の2試合を残して首位に立つ。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は多くのチャンスを作りながら無得点で引き分けた前回シンガポール戦について「まだ理解できていない部分がある」と吐露したが、サイドからのクロスを増やし、中央ではミドルシュートとワンタッチパスという部分を攻撃のポイントに挙げている。特に強調するのがゴール前16mの中に入っていく意識だ。
昨年10月、ブラジルに0-4で完敗したシンガポールのナショナルスタジアムは多くの選手が「まるで砂場のよう」と表現していた鬼門の会場だが、日本は親善試合を含むここ3戦を中東の劣悪なピッチで戦っており、ボールを支配する展開が予想される中で大きな問題にはならないはずだ。継続的に呼ばれている選手たちは基本コンセプトの理解が進み、後から加わった選手も現在の代表で何を求められているかを、ある程度は想定できている。たとえば前回が初招集だった柏木陽介と南野拓実は攻守の切り替えや球際の強さを大事にしながら、自分たちの特長を発揮するべく取り組んだことが再選出につながった。代表チームの外にも情報とメッセージを発信する指揮官の良い面が出たと言えるが、今後のメンバー選考に関して気になる発言もあった。「いまのところ私の頭の中には35人の選手がいる。この人数が時間の経過とともに少なくなっていく」
指揮官が気になっている選手はもっといるはずだが、新戦力をテストする機会が限られているのは確かだ。さらに絞り込みが進む最終予選までに国内合宿などを含め、少しでも多くの選手がチャンスを得て、良い意味で指揮官の悩みを増やすためにもここで2連勝を飾り、首位突破に大きく前進したい。(河治 良幸)