■川崎フロンターレ
けが人は複数いるが、上り調子の前線に期待
リーグ戦は3試合勝ちなしという状況であるが、直近の明治安田J1・2nd第16節・浦和戦(1△1)での好ゲームがチームの息を吹き返す契機となったことは間違いない。
「タイトルはなくなったけど、チームとしては2連敗したあとでもう1回盛り返そうと。自分たちの価値を示すためにも浦和は良い相手ということでやっていて、そういう中でああいうゲームができたのは良かった」と田坂は振り返る。練習時の雰囲気にも、残された唯一のタイトルへの切迫感というモノはなく、良い意味でリラックスしながら取り組めている状況だ。ただ、良いニュースばかりではない。
今週がいわゆる代表ウィークということもあり、G大阪は宇佐美、藤春という中心選手を欠き、かつ負傷によって代表を辞退した東口の出場の可否が不透明なことは川崎Fにとって朗報だ。ただ、同じく川崎Fにも黄信号が灯り始めた。先の浦和戦で見事な同点弾を叩き出した森谷が慢性的な恥骨の痛みで今週の練習を回避。その試合の後半に負傷交代となった小林も「なかなか痛みが引かない」と、戦列に復帰できない状態で、今回の試合は出場を見送ることがほぼ確実だ。さらに中村も別メニュー調整だったことを考えると不安は肥大するが、その一方で今節は大久保が帰ってくる。最前線は大久保、田坂、中野の3枚で形成される可能性が高く、万全かつ上り調子の彼らが得点をたたき出してくれることに期待したい。
直近のG大阪との試合(J1・2nd第13節・5○3)は5得点を奪って勝利を収めたものの、「日程的に厳しくてコンディションもそんなに良くなかったし、本当のガンバではなかった」(田坂)。今回は互いに“残されたタイトル”へ重要な一戦となり、簡単なモノではない。緊迫感のあるこの試合を制し、“年末”まで望みをつなげたい。(竹中 玲央奈)
■ガンバ大阪
先制点を与えないように我慢できるか
「公式戦で3連敗はガンバに許されない」。丹羽がチームの置かれた立場をこう口にするように、ナビスコカップ決勝(鹿島戦・0●3)、そしてリーグ戦(広島戦・0●2)で痛恨の敗戦を喫しているG大阪。
ACL出場により4回戦からの登場となる天皇杯は、悪い流れを断ち切るためにも勝利が不可欠な一戦だ。宇佐美と藤春の代表組を欠いて臨む川崎F戦が簡単な戦いにならないのは、選手たちも自覚済み。ただ、チームがまず乗り越えなくてはいけない敵は己の中に存在する。
「戦える選手だけをピッチに送り出す」(長谷川監督)。広島戦ではパトリックが退場処分となり、岩下も不用意なFKを献上。「気持ちが切れていた証拠」(長谷川監督)と厳しく指弾するが、川崎F戦に向けて始動した11日の紅白戦ではパトリックがサブ組でプレー。いわば懲罰的にサブ組に回されたが、指揮官は「今週1週間の練習次第ではパトリックも選択肢になる」と、あえて活を入れた格好だ。
明治安田J1・2nd第13節では3-5の打ち合いで敗れている相手だが、宇佐美不在でも攻撃に過度の不安はない。直近の公式戦2試合は無得点に終わっているものの、宇佐美の不在時に結果を出してきた二川らがスタンバイ中。川崎F戦でカギを握るのは守備の耐久力となる。
「セットプレーでやられているのは心配」と指揮官も認めるように、直近の公式戦は3試合続けてセットプレーから失点を献上中だ。西野とコンビを組む丹羽も「点は取れると思う。ただ、先に点を与えると苦しくなる。先制点を取れるまで我慢できるか」と守備の立て直しを誓う。
かつては互いに攻撃力を遠慮なくぶつけ合う間柄だったが、粘り強い守備から相手のスキを突くのが、いまのG大阪の勝ちパターンだ。リーグ戦最終節に弾みを付ける上でも、“勝利の方程式”を取り戻したい。(下薗 昌記)