
フェイントで横浜FMの守備陣を翻ろうし、強烈なミドルシュートを突き刺した森岡
劣勢を覆したシステム変更と森岡の一撃
横浜FMがポゼッションで圧倒した。神戸が選択した守備戦術は、中澤、ファビオにボール保持は許しても、兵藤や三門、藤本の中盤3人からは自由を奪うこと。前回対戦(2nd第14節・1●2)の前半は見事に機能したが、横浜FMも「神戸のやり方は把握している」(ファビオ)と戦略を持っていた。前線と最終ラインの意思疎通を高め、ロングパスを効果的に使いながらアデミウソンや藤本らがボールを効率良く引き出す。前線はボールを収めれば時間を作り、神戸のプレスが強ければダイレクトパスを選択。サポートの距離が遠くても、味方が先に触れる位置に落とす高い技術を発揮し、神戸陣内に居座り続ける。「前回みたいに守備がハマらなかった」(石津)神戸を尻目に、横浜FMはチャンスを矢継ぎ早に演出した。
ただ、神戸も対策を行う。トップ下が降りてボールを動かそうとしない横浜FMを見て、「アンカーを置いたほうがいい」と田中は体感。状況を見たネルシーニョ監督は中盤を逆三角形にした[4-3-3]にシステム変更し、徐々に安定感をつかんだ。後半もこの流れを継続し、劣勢の中に勝機を探り出していくと、75分、神戸が先制に成功する。森岡がドリブルで速攻を開始し、左に開いた石津とワンツーで抜け出す。「アイツの個人技」と石津も賞賛するフェイントからの鮮烈ミドルでゴールを射抜いた。
横浜FMは矢島のシュートが右ポストに嫌われるなど決め切れず。「少なくとも1点は取らなければいけなかった」とエリク・モンバエルツ監督が悔やんだように、17本のシュートは実らず無得点に終わった。
横浜FMに主導権を握られる“我慢”の90分を制した神戸が12年ぶりの8強進出を決めた。(小野 慶太)