抜擢された新戦力がチームを活性化させる
10月のシリア戦から先発6人が代わった日本は試合前から掲げたサイドアタックを積極的に展開。1タッチを主体としスピーディーにしかけてチャンスを作り出し、ミスからボールをカットされても、すぐにプレッシャーを掛けて奪い返す。20分に森重真人のフィードを右サイドで受けた本田圭佑が切り返しから左足で高いクロスを上げると競り勝った武藤嘉紀が頭で折り返し、金崎夢生が胸トラップからの左足シュートでディフェンスの間を破りゴール。指揮官も重視していた早い時間の先制点を挙げた日本は攻撃の手を緩めず、26分には本田、長谷部誠、清武弘嗣の鮮やかなパスワークで右サイドを突破すると、再び武藤の落としに今度は本田が左足で合わせて追加点を決めた。
ここまでは理想的な展開だった。しかし柏木陽介や清武のパスから何度もチャンスを作りながら、シュートが枠外だったり、前回の対戦に続き抜群の反射神経を見せるシンガポールの守護神マフブドに阻まれ、日本は勝負を決める3点目を奪えない。後半になるとシンガポールはそれまで以上にディフェンスを自陣に固め、交代で入ったFWスハイミにロングボールを当て、日本の裏を狙う形で反撃に出てきた。そうした流れで与えたセットプレーから危ない場面を迎えることもあった日本だが、2列目に宇佐美貴史、次いで香川真司、終盤には本田に代えて原口元気を投入して機動力を高めると、87分にようやく3点目を記録。柏木のCKに吉田麻也が合わせたヘッドはゴールライン上でDFにクリアされたが、セカンドボールから宇佐美が強引に放ったシュートに吉田が反応して方向を変え、相手GKに触られながらもゴールネットを揺らした。
「 あと3、4点は取れていた」と指揮官は残念そうに振り返ったが、初戦で引き分けた因縁の相手に完勝したことはW杯アジア2次予選の突破に大きくはずみを付け、抜擢した“新戦力”の活躍はチームを良い方向に活性化していきそうだ。(河治 良幸)