リーグ最終節の前に起きた異例の監督交代劇。流れを整理すると、玉田稔社長が決断したのは前節・長崎戦(0●2)翌日の15日。16日に大熊清強化部長に監督就任の承諾を得て、17日朝にパウロ・アウトゥオリ監督と話し合いの場を持った。“双方合意による退任”とクラブからは発表があるも、違約金は発生している。
アウトゥオリ監督とは「1年契約のオプション付き。2年目の条件は自動昇格」(玉田社長)だった。第39節・熊本戦(1△1)で自動昇格の可能性が消えた時点で、来季続投の線は消えた。そのことが影響したかどうか定かではないが、以降の2試合はともに複数失点での完封負け。試合後の“辞任騒動”に揺れた第36節・北九州戦後(1○0)も「良くなることを信じて」(玉田社長)戦い続けたが、チームは急失速。勝利から見放された。そこへ直近2試合の内容が決定打となり、「このままではJ1昇格は難しい。いま、手を打たなければ後悔する」(玉田社長)と監督交代を決断するに至った。
ここ数試合、アウトゥオリ監督は「プレーオフを見据えて競争を促す」狙いで多くの選手を使って戦うも、監督の意図は浸透し切らず、直近5試合は2分3敗。この数字が前体制の煮詰まりを物語っていた。もちろん、結果が出なかった責任は選手にもあり、現状の“成績不振”に対する批判とは別に、ここまでチームを率いてきたアウトゥオリ監督に対する敬意は欠かすべきではない。そこを踏まえた上で、この決断は妥当でもある。J1昇格へ、賽は投げられた。(小田 尚史)