圧倒的に苦手なはずだった。ここ2シーズン、リーグ最終戦は2連敗中。12年の勝利が06年以来、6年ぶりだったことを含めれば、この8年間で最終戦の勝利は一度しかない。しかし、浦和は立ち上がりから攻撃が躍動した。
2分に関根のクロスに武藤が合わせて、あっという間に先制すると、9分には高木のスルーパスを李が押し込む。いずれも相手の守備対応のミスに助けられた感もあったが、さらに13分には永田の大きな展開から宇賀神、李、槙野が連動した「これぞ浦和」と言わんばかりの攻撃で完全に神戸の守備を崩し切り、柏木がゴール。3本のシュートで3点を奪って見せた。3得点後も前線からの守備を続けたものの、中盤の最終ラインの間にスペースを作ってしまい、26分には石津にゴールを許し、後半に入ると65分には永田がボールを奪われて森岡に失点を許して1点差とされたが、慌てる様子は見せない。そしてハーフタイムにペトロヴィッチ監督が送った「リードを守り切るのでなく1点を取りにいく姿勢を見せること」という指示のごとく、1点差で試合を終えるような戦いではなくさらに攻撃をしかけていった。そして77分に青木、84分に梅崎と途中出場の選手が結果を出してリーグ最終戦を完勝で終えた。
すでにチャンピオンシップ出場を決めており、過去の最終戦と比べてプレッシャーが掛かる状況ではなかった。神戸とモチベーションの差もあっただろう。前半途中で3-0と余裕を持ったことで攻守において雑になった面も否めない。ただ、那須、森脇、興梠と主軸を負傷で欠きながらもしっかりと浦和らしい戦いで勝利を収めたことは紛れもなくプラス材料であると同時に、終盤に勝てない、メンバーが代わると勝てないと言われてきた過去の姿とは違った。
結局、広島が湘南に勝利したため年間順位1位は逃したが、まだ浦和の戦いは終わっていない。いや、むしろ本当の戦いはこれから。つまり、本当に生まれ変わったのかどうかを示すのもこれからだ。(菊地 正典)