両チームが貫いた、アグレッシブで攻撃的な姿勢
チャンピオンシップ進出の可能性を残す鹿島。その扉を開くためには首位・広島との間にある得失点差12を埋めなければならず、数字上は厳しい条件だったが、それでもカシマスタジアムはわずかな可能性を信じる深紅のサポーターで埋まった。
その声援に応えようとするかのように、序盤から鹿島が攻撃的な姿勢を見せる。ボールを奪っては前へ前へと突き進み、縦に速い攻撃で名古屋ゴールを強襲。サイドに流れるカイオを起点に人数を掛けて攻め、いくつもの決定機を作り出した。それでも肝心の場面で判断が遅れたり、シュートがバーに嫌われたりとゴールを奪えない時間が続いたものの、54分に試合を動かす。中村のコントロールシュートがネットを揺らすと、これが結果的に決勝点となった。
とはいえ、敗れた名古屋が防戦一方だったわけではない。むしろ前掛かり気味に出てくる鹿島の背後を使い、縦に速いカウンターから決定機を何度も作り出しており、先制点の行方次第では、ゲームがどう転んだかは分からなかったはずだ。1点を失ったあとも攻撃的に攻め続けた名古屋。“カウンター覚悟”でノーガードに打ち合った結果、訪れたチャンスを生かすことができず、涙を呑むこととなった。
勝利を収めた鹿島は“奇跡”に届かず、敗れた名古屋は西野グランパスとして有終の美を飾れなかった。とにかくゴールを目指した両者にとって、最後に目指したモノは手に入らなかったかもしれない。それでも見る者に伝わったモノはある。
彼らが積み上げたシュート数は、鹿島が19本、名古屋が16本。今季最終戦における選手たちの思いは、アグレッシブで攻撃的な姿勢として、この日のピッチに確かに表れていた。(村本 裕太)