最後までFC東京の首を絞めた、自分たちの弱点
84分、一瞬のスキを突かれて速攻を許すも、鳥栖の鎌田が放ったシュートがポストに当たったときは、まだFC東京に何かが起こるかもしれないという予感があった。しかし、最後まで鳥栖ゴールは遠かった。年間順位3位を争っていたG大阪は、山形に4-0の大勝。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、FC東京のチャンピオンシップ進出が絶たれた。
重要な一戦を前に、選手たちに硬さは見られなかった。FC東京が無得点に終わったのは、むしろ鳥栖の選手たちの奮闘ぶりによるところが大きい。序盤から人に強いDF陣がしっかり自陣で体を張り、前田や東ら青赤の攻撃陣に自由を与えなかった。SBでのプレーが長い丹羽が3バックの中央で出色の出来を見せていたのは、鳥栖の守備が機能していた証。また後半には多くの選手が体を投げ出し、何度もシュートブロックを連発。勝利を収めたところで何かを得られるわけではない最終節でも、鳥栖が見せたモチベーションの高いプレーは称賛に値するパフォーマンスだ。
結局、自分たちの弱点が、FC東京の首を絞めた。それは、攻撃力のなさ。この最終節、G大阪が勝った場合、青赤に必要なのは勝つことだった。勝つためには、当然ゴールが不可欠。しかし鳥栖ゴールに迫っても、GK林を強襲した場面はほとんどなかった。視察に訪れていた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「こういった試合に勝つためには、もっと良いプレーが必要だった。特にそれは攻撃面」と指摘。FC東京は、守り切ることで勝ち点を積み重ねてきたが、自分たちの力でゴールネットを揺らした上で、勝ち切る力が最後まで足りなかった。
試合後、静まり返るスタジアム。最後の挨拶でマイクの前に立った森重が、ポーカーフェイスを貫けずに泣いていた。「正直、チャンピオンシップに出たかったです…」声を震わせながら、本音を絞り出した。青赤は、またしてもリーグタイトルに近付くことができなかった。痛恨の敗北。リーグの終戦は、自分たちのサッカーの限界を突き付けられる結果でもあった。(西川 結城)