開幕戦と同じ顔合わせになった一戦は、勝者もスコアも同じ1-0。今季を象徴するような苦しい試合だったが、横浜FCが虎の子の1点を守り切った。
群馬は23分までに吉濱、夛田を負傷により相次いで失い、浮き足立ったそのスキを横浜FCは逃さなかった。29分、前線から連動したプレスで追い込み、中里が高い位置でボールを奪うと、ロク・シュトラウスの折り返しに寺田が右足を振り抜く。「今日が最後の選手のためにも点を取りたかった」(寺田)。思いを込めた主将の一撃が、ポストに当たってゴールに吸い込まれた。しかし、チームを去る選手のためにも負けられないのは群馬も同じ。横浜FCのバックパスを引っ掛けてカウンターを繰り出し、チャンスを作る。「あれで引いてしまった」(中田監督)横浜FCは、途端にプレスが掛からず間延びしてズルズル下がる、という勝てない時期の守備に戻ってしまった。
押し込みながらも最後まで仕留められなかった群馬は「ゴール前の精度」(服部監督)、そして横浜FCは「90分をうまくコントロールできない」(寺田)というシーズンをとおしての課題を克服できずに終わった。その徒労感、去る者への惜別、来季への期待と、さまざまな思いが入り混じる15年の最終戦だった。(芥川 和久)