JFL時代からお互いが激しくしのぎを削り合い、その雌雄を争ってきた四国ダービーだったが、今回に至ってはそれぞれの熱量の差は大きかったと言わざるを得ず、それがそのまま結果に表れた形となった。
J1昇格という大きな夢を持って突き進む愛媛の勢いは試合立ち上がりから徳島を呑み込んだ。前線から激しくプレッシャーを掛け、徳島が最終ラインでさえ満足にボールを持てない状態に追い込むと、主導権は完全に愛媛へ。前半はほぼワンサイドゲームとなり、26分に瀬沼のヘディングシュートのこぼれ球を近藤貴が押し込んで先制に成功した。
後半になると徳島はシステムを[3-4-2-1]に変更し、愛媛のシステムとマッチアップする形で応戦。一転して徳島が攻勢に打って出たが、主審の不可解なジャッジにより石井が2回目の警告で退場になると、その勢いはすぐさま削がれた。その直後の愛媛のCKで石井がマークするはずだった林堂が完全にフリーとなり、ニアサイドで頭で合わせ、愛媛がリードを2点差に広げた。
愛媛の勝利はほぼ揺るぎないモノになっていたが、途中出場でピッチに入った白井は「監督から『(J1昇格)プレーオフを意識した前向きなプレーを』と言われていた」とチームは手綱を緩めなかった。最後まで攻撃的な姿勢を崩さず、3-0での完勝。四国ダービーで8戦ぶりの勝利を得ただけでなく、勢いがモノを言うJ1昇格プレーオフに向けて最高の形で“助走”を付けた。(松本 隆志)