これまで何度も繰り返された光景は、最後まで変わらなかった。
ボールを保持してチャンスを作っても決め切れず、確実にゴールを挙げた相手に敗れるという試合展開だ。どこかできっかけがつかめれば、ケチャップが勢い良く飛び出るかと思っていたが、ついにその機会は訪れず、東京Vはシーズンを終えた。
9月13日の第31節・群馬戦(3○1)で3得点を挙げたが、翌・長崎戦(0●1)以降の11試合で計3得点。内訳を見ても、オウンゴール、PK、パワープレーと、いずれも東京Vが狙いとする形ではない。加えて、もともと0-0で試合を進め、終盤に決勝点というのが勝利のパターンだったが、リーグ終盤は早い時間帯で失点することも多く、そうなると相手が守備を固め、攻略はより難しくなった。
フィニッシュの局面で決めるか決めないか。そうしたことはシーズンをとおしての課題だと本紙でも何度も触れてきた。ラストパスの精度も含め、最終的には個人の能力、また運にも委ねられる要素が大きいが、「それが実力」だと井林は言う。あれが入っていれば、それを決めていれば…。シーズンを終え、J1昇格プレーオフ出場が叶わなかったいま、思い出す場面はいくつもある。
ただ、敗者であっても、グッドルーザーではあった。資金的な問題で、十分な補強が難しい中、アカデミー育ちの自前の選手中心でチームを作り、ここまできた。ロングボール主体のサッカーをせず、細かいパスを主体に“魅せるサッカー”も追求した。しかし、勝てなかった。そして、勝てなかった以上は弱かった。実力が足りなかったのである。
結果がすべてだ。良いサッカーをしても、結果を残せなければ何も得られない。美しい敗者から脱却するためには、勝利に直結するプレー、そして、強さが必要なのだ。(石原 遼一)