■セレッソ大阪
受け身に回らず、試合状況を読んで仕留める
1年でのJ1復帰を目指してスタートした今季。C大阪は2位と勝ち点1差に肉薄した時期こそあったが、最終的には3位の福岡と勝ち点15差の4位でシーズンを終えた。リーグ最終節の東京V戦(2○0)を前に就任した大熊監督も、「セレッソはうまい選手はいるかもしれないけど、成熟した強いチームにはなれなかった。選手、スタッフ、フロント含めて自動昇格というハードルを乗り越える力が足りなかった」と振り返る。その上で、「昇格するチャンスは残されている。もらったチャンスをしっかり受け止め、セレッソに関わる皆さんとJ1昇格プレーオフを戦いたい」とこの大会への抱負を述べた。
C大阪の立場は“チャレンジャー”だ。気負いはない。福岡、愛媛、長崎に対しては今季、1勝5敗と大きく負け越している。愛媛との準決勝に向けても、「自分たちの立ち位置を上だと思ってはいけない。実際にシーズンでは一度やられている。(格上)意識を変えないと、勝つ確率も下がる。受けて立たないようにしたい」と大熊監督は語った。
シーズンの上位クラブが受け身に回らないこと。過去のJ1昇格プレーオフを振り返っても、これは非常に大事だ。ただし、試合展開の中では、相手の時間帯をしっかりしのぐことは重要。東京V戦でも、「相手が前からプレスに来た立ち上がりを無失点で終えたことが勝利につながった」(大熊監督)。
メンバーは、出場停止から戻る扇原の起用をどうするかといった点はあるが、東京V戦がベースになるだろう。試合後会見で、「流れの中で点を取れるシーンでの決定力、精度が足りなかった」と話した大熊監督。リーグ戦のラスト5試合を1失点で終えるなど、堅守の愛媛に対して、今週はパターンの異なるシュート練習も行い、短い時間の中で決定力を高める工夫も凝らした。刻々と変化する試合状況に応じて、守り切る、決め切るといった勝負強さを発揮したい。(小田 尚史)
■愛媛FC
アグレッシブさを保ち、木山監督の策を遂行する
J2参戦10年目にしてやっとつかんだJ1昇格へのチャンス。その夢の頂まで“あと2勝”というところまで登り詰めた。もちろん、それはリーグ戦よりもさらに険しい道だということは承知のはず。それでも愛媛は全力で勇敢にチャレンジする。
このJ1昇格プレーオフのレギュレーションにおいて、上位チームが優位な条件であることは間違いない。C大阪はドローでも勝ち進めることに加え、その舞台はホーム・ヤンマースタジアム長居。今季、J2最多のホーム平均観客数(12,232人)を誇ったそのスタジアムは、いつも以上の観衆で埋め尽くされ、愛媛は圧倒的アウェイの雰囲気の中で戦わなければいけない。客観的に見ればそれは身をすくめたくなるような状況だが、選手たちはそう思っていないようだ。「自分たちにプレッシャーがないと言ったら嘘になるけど、C大阪はJ1昇格を絶対にしなければいけない使命を持ったチーム。間違いなく、相手のほうがプレッシャーは大きい」(瀬沼)。
ホームの大観衆が作り出すパワーみなぎる声援は選手の後押しをするはずだが、J1昇格プレーオフ独特の重圧に押しつぶされれば、それは逆に作用しかねない。事実、これまでのこの大会でその重圧に屈した上位チームは少なくない。それを考えれば、C大阪には想像しがたいほどの重圧があると見る。一方、愛媛は「プレーオフで敗退したとしても、何かを失うチームじゃない。思い切り自分たちができることをぶつけていける」(瀬沼)と、失うモノのない強みが出せる。状況も点を取って勝つしかないというシンプルなモノであり、C大阪よりも能動的なメンタリティーで臨めるはずだ。
だからといって闇雲に真正面から玉砕覚悟でブチ当たっていけば返り討ちは必至。アグレッシブに戦うメンタルを整えた上で、“策士”木山監督の練り上げたゲームプランをピッチで表現したい。(松本 隆志)