大分に先制されるも、焦らなかったチーム
相馬監督は「攻撃の時間が(これほど)長くなるとは予想していなかった」と序盤の展開を振り返る。J3からの昇格を目指す“チャレンジャー”が5分、7分、11分と立て続けに決定機を迎え、完全に試合の主導権を握っていた。しかし、そこで決め切れなかったことが、試合運びを難しくする。町田は22分にFKからのワンチャンスをダニエルに決められ、大分のリードを許した。
指揮官はその後の混乱と、選手たちの踏ん張りをこう述べる。「アウェイゴールを与えてしまったところで焦りが出て、バラけそうになった時間が出た。しかし、選手たちはよく声を掛け合いながら、その時間を短くしてくれた」(相馬監督)。落ち着きを取り戻した町田は47分、エース鈴木孝が同点ゴールを決め、前半を折り返した。指揮官が「チームに勇気を与えてくれたゴール」と称える一撃だった。
町田は後半も優勢に支配を運びつつ、やや攻めあぐねていたが、72分に鈴木孝が森村とのパス交換からこの試合2ゴール目を決める。その後は大分に二人の退場者が出たこともあり、町田の優位はまったく揺らがなかった。町田19本、大分3本というシュート数も示すように、組織力、内容でJ3がJ2を圧倒した90分間だった。
ただし、町田はアウェイゴールを大分に与え、得失点差のアドバンテージも『1』。つまりチームとして“ホッとできる”状況ではない。試合運びを振り返れば、良い流れで得点を取り切れなかった直後の試合運び、9人になった相手にとどめを刺せなかった時間帯、前後半ともに宿題が残った。
しかし、2試合トータルの“前半”に限って言えば、チャレンジャーが見事な戦いを見せた90分間だった。J3制覇を逃した悔しさを振り払った町田が、ファイティングポーズを取り戻した試合だった。(大島 和人)