大一番では抜群の勝負強さを見せ、昨季3つのタイトルを独占したG大阪。しかし、自他ともに認める勝負強さは今季の大阪の雄に備わっていなかった。「失点した場面もそうだし、得点できなかった場面もそう。ペナルティーエリアの精度にこだわれば、結果は付いてくる」。今季2度目の準優勝の悔しさをかみ締めながら、丹羽は的確な分析を行った。
今季、もっとも重視していたACLで露呈したチームの課題が“守り切れず、取り切れず”。
チャンピオンシップ第1戦(2○3)では痛恨の逆転負けを喫し、最低でも2点以上での勝利が不可欠だったG大阪は、27分にCKから待望の先制点を叩き込む。「残り5分で先制してもいい」(長谷川監督)と慎重に2得点を目指したチームにとって、でき過ぎとも言える展開だったが、その2点目が遠かった。長沢がファーストDFとして奮闘し、攻守で連動したサッカーは、本来長谷川監督が目指すスタイル。しかし、主導権を握っていた時間帯に突き放し切れず、徐々に狡猾な広島の術中にハマり込んでいく。
遠かった1点…。ホームで引き分けた広州恒大とのACL準決勝・第2戦(0△0)を思わせる攻撃のカード不足は、戦力補強に失敗した今季のG大阪の慢性的な課題であり続けた。そして、踏ん張り切らないといけない時間帯に安易に失点したのも広州恒大戦と同様だった。「あの失点がなければ、そのあと何かが起こっていたかもしれなかった」。76分に浅野のヘディングを許した西野は、リオ五輪世代のライバルに遅れを取ったことを悔やんだ。大一番では抜群の守備の堅さを見せて来た昨季とは一転、ACL準決勝やナビスコカップ決勝、そしてチャンピオンシップ決勝といった大一番では、最終ラインの個の脆さも目立った。「この光景を目に焼き付けて、やっていくしかない」(丹羽)。選手はもちろんだが、補強面でのクラブの奮起も不可欠。G大阪は、シルバーコレクターであることが許されないクラブであるはずだ。(下薗 昌記)