ピッチ外の充実ぶりも際立つ町田の2015年だった。今季はJ2時代も含めた最多の平均観客数(3,766名)を記録するなど、プロモーション面でも勢いに乗っていた。トップやアカデミーの選手が使い、地域の住民にも開放される健康食堂『ゼルビア×キッチン』の開設や、ミニスカートの日(10月18日)に行った“スカート着用者無料招待”は大きな話題を呼んだ。TV、新聞でこのクラブの話題を目にした方も少なくないだろう。
町田は12年に1季だけJ2を経験したものの、すぐJFLに転落している。14年にJ3がスタートしたことで“3部”も徐々に底上げされているが、J2との開きや転落の痛みはなお大きい。J2を経験した鳥取、富山の苦闘を見れば、再起の難しさは明らかだ。
町田も少なからず苦しんだ。ただ、大切な“軸”はほとんど揺らがなかった。クラブの運営を見ると下川浩之社長を皮切りに強化や育成、普及活動、営業などのあらゆるポジションで“町田育ち”が活躍している。丸山竜平強化部長、大友健寿事業本部長、酒井良“ひろめ隊”隊長はFC町田の同期(戸田和幸世代)。ゼルビアには彼らのみならずこの街に思いを持ち、クラブの発展と定着に人生を懸ける、しかも働き盛りの人材がそろっている。
1970年代から町田のサッカー環境を整備し、多くのJリーガーや日本代表を輩出する土壌を耕した先達も含めた、この街の“オールパワー”で勝ち取った今回のJ2復帰だった。(大島 和人)