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バルセロナ出陣。アジア王者は通用するのか?/バルセロナ×広州恒大 クラブW杯準決勝 プレビュー

2015/12/16 9:10



■バルセロナ
メッシ依存からの脱却。欧州王者に死角なし
 マンチェスターC、パリSG、バイエルン・ミュンヘン、そしてユベントス。バルセロナは昨季、欧州5大リーグの王者を軒並み破る形で欧州CLを制し、4年ぶり4度目のクラブW杯出場権を手にした。
 今季は補強禁止が続く中、シャビ、ペドロらの退団により選手層が低下。さらにシーズン序盤からけが人が続出し、一時はメッシとイニエスタをそろって欠くなど苦しい状況が続いた。それでもリーグ戦では首位を維持し、欧州CLでもグループステージ最終節を前に首位通過を決めるなど、ここまで上々の結果を出してこられた要因は、Bチームの若手を含めた現有戦力を最大限に活用してきた指揮官の柔軟なベンチワークにある。何よりメッシ不在中にチームの攻撃をけん引したネイマールとスアレスの活躍で、長年課題としてきた攻撃面のメッシ依存を打破できたことは大きい。けが明けのメッシをベンチに温存しながら敵地で4-0と圧勝したエル・クラシコは、メッシ不在の2カ月間にチームが大きく成長したことの証だ。
 最近はルイス・エンリケ監督の就任以降では初となる3連続ドローが続いたが、バレンシア戦は勝てなかったのが不思議なくらい内容で圧倒していたし、消化試合となった欧州CLのレバークーゼン戦は多数の若手に経験を積ませる機会と割り切ったので、結果は二の次。唯一、直前のデポルティーボ戦では攻撃面でネイマールの不在を感じさせたが、2-0から2-2に追い付かれた失態は一発勝負のクラブW杯を前に気を引き締める良いきっかけとなったはずだ。
 ネイマールの離脱は痛いが、ほかの選手のコンディションは上々で、広州恒大戦に向けて死角はない。横浜の地でも緻密なパスワークによる組み立てをベースに、タレントの打開力を組み合わせた多彩な攻撃でわれわれを魅了してくれるはずだ。 ( 工藤 拓)

■広州恒大
コンディションとメンタルでは有利。先手を打て
 終盤の大逆転で準決勝に駒を進めた広州恒大だが、バルセロナを相手に同じ展開に持ち込むのは難しいだろう。最後まで白熱の戦いを演じさせてくれるほどバルセロナは優しくないし、クラブ・アメリカ戦では相手のフィニッシュ精度の低さに助けられた感がある。クラブ・アメリカの3トップも確かに強力だったが、『MSN』の比ではない。ほんの少しでも集中を欠けば、瞬く間に大きな得点差が付いてしまうだろう。
 まず注目すべきは試合開始の1時間前、両チームの先発メンバーが発表されるときだ。バルセロナは日曜日にリーガ・エスパニョーラの試合を行い、すぐに飛行機に飛び乗って来日し、わずかな準備期間でこの試合に臨む。コンディションを調整するのがやっと、という状況だろう。また、彼らが本気を出すべきは決勝戦なので、準決勝ではメンバーを落とす可能性がある。先発に若い選手が並んでいるようならば、広州恒大にもチャンスはある。また、バルセロナであっても、他大陸のチームと対戦する機会はそう滅多にあるモノではない。ましてや広州恒大はすでに1試合を経験し、しかも劇的な勝利を飾っているため、士気は極限まで高まっている。こうしたコンディション面、メンタル面の差があるうちに先手を打つことができれば、試合の主導権を握ることができるだろう。
 広州恒大はクラブ・アメリカ戦の先発がベストに近いメンバーなので、恐らくほぼ同じ顔触れでバルセロナに挑むだろう。変更があるとすれば、左MFをロビーニョから初戦で得点を決めたジョン・ロンに代える程度か。ポゼッションを高めて攻め込んでくるであろう相手の攻撃を早めにブロックし、サイドから素早いカウンターをしかければ、何度かチャンスが訪れるはず。それを確実に決めることができれば、アジア王者初の決勝進出も見えてくるだろう。 (池田 敏明)

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