広島、南米王者を苦しめるも我慢比べに屈す
野太い声のチャントが大阪長居スタジアムに響き渡る。地球の裏側から大挙して訪れたリバープレートのサポーターが異様な雰囲気を醸し出す中でキックオフした準決勝。立ち上がりの広島は硬く、準々決勝でアフリカ王者・マゼンベを翻ろうしたパスワークが影を潜め、押し込まれる時間が続いた。
しかし、我慢強く戦ってここまで勝ち上がってきた広島は、リバープレートの攻勢をしっかりと耐えてリズムをつかんでいく。ボールを奪ったあとのプレーにも徐々に余裕が生まれ、カウンターからチャンスを作り出していった。26分には塩谷のフィードに皆川が抜け出してGKと1対1の決定機。33分には皆川のポストプレーから茶島がシュート。40分にはペナルティーエリア内でフリーになった皆川が青山の縦パスを受けて右足を振り抜いた。しかし、いずれもGKマルセロ・バロベロの好守に阻まれて先制点が奪えない。
0-0で迎えた後半、互角の攻防が続く中で森保監督はミキッチ、浅野を投入してゴールを奪いにいく。「思い描いていた試合運びだった」(森保監督)。しかし、南米王者は試合巧者だった。浅野がピッチに立ってから6分後、FKから先制点を奪い取る。ファーサイドに上がったボールにGK林が飛び出すも、相手に先に触られ、こぼれ球をルーカス・アラリオが押し込んだ。「もう一つ前の高い位置で(ボールを)取ることができれば失点はなかった。自分のミス」(林)。広島は我慢比べに屈した。そして、リードしたリバープレートはしたたかだった。76分に森保監督は佐藤を投入したが、広島はその佐藤までボールを運ばせてもらえない。一段と圧力を強めてきたリバープレートのプレスを突破することができず、前線の佐藤と浅野は沈黙したまま試合終了のホイッスルを聞くこととなった。
「『惜しい』で終わりたくはなかった」(森保監督)。南米王者を苦しめたが、壁を越えることはできず。試合後は悔しさに覆われたが、まだ3位決定戦が残されている。「そこで勝てればまた力になる」。青山は次戦へ切り替えていた。(寺田 弘幸)