きっかけはブレイディー
―お二人は普段どれぐらい海外サッカーを見ているのでしょうか。
ワッキー 僕は“毎日”見ていますね。家に帰ってきて、寝る前に必ず。ライブでやっている試合もそうだし、録画した試合でも、とにかくサッカーを流しながらビールを飲むというのがサイクルになっています。その中でも、プレミアリーグは一番見ていますね。
播戸 基本はライブで見るのが好きなんです。朝方に始まる試合だと、やっぱりライブで見るのはなかなか厳しいんですけど、プレミアの場合は21時台からやっている試合もあるし、そんなに夜更かししなくても見られるのがうれしいですね。
ワッキー プロのサッカー選手って、播戸さんみたいにサッカーの試合を見る人が多いんですか?
播戸 そんなことないですよ。すごく見る人もいれば、全然興味ないっていう人もいますし。でも、自分よりうまい選手のプレーを見ることは、間違いなくプラスにはなるので。だから、プレミアの中でも上位同士の対決だったり、いわゆる“良いカード”をチョイスすることが多いですね。
ワッキー 僕は逆に、マイナーなチームの試合もチェックします。なぜかというと、僕がプレミアを見るきっかけになったのが、いまはノリッジにいるアイルランド代表の(ロビー・)ブレイディーという選手なんです。あるときプレミアの試合をいつものように見ていたら、ハル・シティにものすごく柔らかいタッチをする選手がいて、誰だこれ?となって。播戸 へ〜。
ワッキー 僕は右利きで体力だけが自慢の“ガチガチ”な選手だったので、左利きのテクニシャンには無条件で憧れるところがあって(笑)。
播戸 分かります、分かります(笑)。
ワッキー そんなすごい選手が、何てことない…と言ったら失礼ですけど、ハル・シティのような下位チームにいる。そのプレミアの奥深さというか、層の厚さがすごいなと。だから僕は“ブレイディーのおかげ”でプレミアを見るようになったんですよ。
―播戸選手は?
播戸 僕は同い年の稲本(潤一/札幌)ですね。イナ(稲本)がアーセナルに行ったあと、02年の冬に僕がロンドンに訪ねて行ったんです。そのとき、(アーセン・)ベンゲルにお願いして、アーセナルの練習に参加させてもらったんですよ。
ワッキー そうなの? すごい! 当時のアーセナルにいたのって…。
播戸 ティエリ・アンリ、パトリック・ヴィエラ、ロベール・ピレス、デニス・ベルカンプ、フレドリック・リュングベリ、ソル・キャンベル…。無敗優勝した前のシーズンだから、本当に黄金メンバーですよ。ただ、さすがにトップチームの練習に参加するのは無理で、僕が参加したのはセカンドチームでしたけどね。それでも、ブラジル代表にも入ったエドゥーとか、イングランド代表の正GKだった(デビッド・)シーマンがいて。
ワッキー その時代のアーセナルは見てたな〜。
播戸 ハンパなかったですよ。エミレーツ・スタジアムになる前のアーセナルの本拠地、ハイバリー・スタジアムでも試合を見ましたけど、パスがポンポンポンとつながって、最後はアンリがすごいシュートを決めて。あそこからですね、プレミアってすごいなと思ったのは。
ワッキー アンリの全盛期は本当にすごかったよね。何がすごいって、ミドルシュートを簡単に決めちゃうこと。あの距離から、あんなシュートを打たれたら、どうしようもない。ドリブル突破もまったく止められなかったし。一人で試合を決めていたなという感じがします。
播戸 Jリーグの選手に例えるなら、エメルソン(元・浦和など)みたいな活躍やね。
ワッキー うわ〜、エメルソン。すごかったな〜。
播戸 僕は00年、彼がサンパウロから札幌に来たときに一緒にやってましたからね。
ワッキー どうでした?
播戸 ハンパないですよ。エメルソンの代理人(テオ・コンスタンチン)が、いまはフッキの代理人もやっているんですが、テオが、「フッキもすごいけど、エメルソンのほうがすごい」と言ってますから。ブラジル代表の先発だったフッキよりすごいって、どんだけやねんって。
ワッキー まるでサッカーゲームみたいに、一人でやっちゃってたもんね。
播戸 いまでもフラメンゴで現役でプレーしていて、今季もゴールを決めてますから。まぁ、来た当時は僕の2歳年下という触れ込みでしたけれど、実は一つ上だったという(笑)。
ワッキー 年齢詐称してたんだよね(笑)。播戸 そうです(笑)。