Photo: © J.LEAGUE PHOTOS
■FC東京
マッシモ・トーキョーの総決算。最高の結果を残す
4年ぶりの天皇杯制覇に向けて、J1王者の広島という大きな壁を乗り越えなければいけない。主将の森重は、この1戦を前に「我慢比べになる」と語っている。今季公式戦の対戦成績は、1勝1敗1分と五分。1-2、1-1、1-0といずれも接戦を演じた。この天皇杯も1点を争う試合になるはずだ。
広島は、クラブW杯で体力を疲弊しているはず。だが、敵将の森保監督が「2チーム分の戦力がある」と豪語するとおり、選手を入れ替えてもチーム力が落ちないことは実証済み。実際に今季のナビスコカップ第6節(1△1)では、メンバーの大半を入れ替えた広島相手に主力で臨んで引き分けている。また、FC東京は約1カ月実戦から離れているため、大きなアドバンテージがあるとは言い難い。
一方で、マッシモ・フィッカデンティ監督が今季限りでチームを去り、選手も再編される。このメンバーで戦うのも残すところ最大で3試合。指揮官は言う。「イタリアで学んできた本物のプロ意識を示したい。その内容は、自分が重ねた仕事を、最後の一瞬まで全力でやり切るということ。それはさまざまな問題を抱えていても変わらない。選手たちとともに同じ意識を持って戦い抜くことを約束したい」。
今季は堅守で相手の攻撃をはね返し、僅差の勝負を制してきた。まさにこの一戦が、フィッカデンティ監督がこのチームに植え付けた哲学を実践する格好の場だ。就任から誰よりも勝利を欲してきた男は、さらにこうも語った。
「今年は、最高の1年を過ごせた。サポーターのみなさんに最後、最高の結果を残して去りたい」
残りの1試合、1試合がマッシモ・トーキョーの総決算となる。(馬場 康平)
■サンフレッチェ広島
J王者として、世界3位のチームとして、誇りを持って戦う
20日にクラブW杯3位決定戦で広州恒大を破ったあと、ミックスゾーンで青山は「天皇杯もみんなで、総合力で獲りにいく。あと3試合、頑張ります」と、すぐに次のタイトルへ気持ちを向けた。ただ、21日のJリーグアウォーズへ出席した選手たちは、22日に2週間に及んだ大阪・横浜での長い遠征を終えて帰広したばかり。各大陸王者と対戦できる“夢舞台”で死力を尽くしてきた心身を休める間もなく、天皇杯準々決勝へ向けて準備しなければならない。「本当は休ませてあげたい」(森保監督)というのが指揮官の偽らざる本音である。
チームは23日にミニゲームで汗を流したが、FC東京戦に向けてはまず選手個々のコンディションとメンタリティーを見極めることからスタートしなければならず、「どんなメンバーになるか全然分からない」と森保監督も困り顔だった。たとえ準々決勝を勝ち上がったとしても、準決勝、決勝を戦えるチーム状態でなければ元も子もない。3連戦を考慮したマネジメントをする必要もあり、準々決勝はフレッシュな選手を起用することも指揮官のプランに入ってくるだろう。
一方、大きなプレッシャーのかかった中で戦ったチャンピオンシップを制してリーグタイトルを獲得し、各大陸王者にも堂々と自分たちのサッカーを見せた12月の6試合は、チームに大きな自信を与えている。ピッチに立ったときに何をすべきかは全員が把握しており、先発や控えの垣根なくチームは一つにまとまっている。そして歴史を刻んだチームメートと戦えるのは天皇杯が最後。団結力はさらに高まっている。
チャンピオンチームとして、世界3位のチームとして、広島はプライドを持って15年シーズンを最後まで戦い抜く。(寺田 弘幸)