Photo: © J.LEAGUE PHOTOS
■ベガルタ仙台
守備から攻撃への切り替えを磨いて勝利を
12月3日からの準備期間を、4つのクールに分け調整してきた仙台。体と心を立ち上げる第1クール、週末に練習試合を設定し、1試合ごとに負荷を上げた第2・3クール、そして仕上げの第4クール。この準備は準々決勝の試合だけでなく、「決勝までの“3連戦”に向けて、全選手をスタンバイさせるための準備」と渡邉監督は位置付けている。その“3連戦”への道は、目の前の柏戦に勝つことでのみ開ける。「チームの“総合力”で何としても勝って先に進めたい」と渡部も語気を強める。
今季の柏との2戦(1st第2節・1△1/2nd第4節・0●1)で、仙台は相手のアンカーを中心に、パスの出どころへのプレッシングを強化して、相手の攻撃に良いリズムを生ませなかった。その反面、ボールを奪ってからの攻撃では、精度を欠いたり奪い返されたりというところで課題を残した。2戦で奪ったゴールはCKからの渡部の1点のみ。逆に2戦とも試合終盤の失点で勝ち点を奪われてきた。
今季の仙台は、この守備から攻撃への切り替えの部分が大きな課題だ。「ボールを奪ってからのところでもっと質を上げたり、時間を作ったりできるようにしなければ」(富田)、「奪ったあとにどうボールに関わって攻めるか、という切り替えをもっと磨く」(リャン・ヨンギ)と選手たちも認識している。この二人のボランチを中心に、先の攻撃につながる守備をして、その攻撃を迷わずゴールに結び付けたい。幸いにも「リーグ戦終了後と遅れてしまったが、状態は上がっている」というウイルソンらフィニッシャー陣は上り調子だ。普段のホーム・ユアスタでプレーできることも勢いに加え、確実に加点して勝利したい。(板垣 晴朗)
■柏レイソル
“仕込み”を済ませ、焦れずに戦う
柏にとっては今季51試合目の公式戦だ。
2月中旬のACLプレーオフに合わせて始動を早めた柏にとってまず疲れを抜くこと、そして天皇杯はもちろん、さまざまな面で来季に備えることがリーグ戦終了後のミッションだった。チームは2nd第17節・新潟戦(1△1)の翌日から11日間のオフを取っている。
吉田監督は「目的のない練習になってしまうことは避けたい。(オフは)しっかりと休み、準備の時間に充ててほしい。サッカーとは別の問題を整理する時間も取ってあげなければいけない」と時間を空けた意図を説明する。体をいつもどおりに動かしていた選手もいるが、多くの選手は海外旅行、温泉とリラックスを図って充電作業を行った。監督自身もその時期に新潟との最終交渉を行い、来季の監督就任を確定させている。そしてそこから3週間のトレーニングと2度の練習試合で、チームは仙台戦の準備を行った。
工藤が「仙台とはいつも厳しい試合になる。そんなにどんどんゴールが入るような試合にはならない」と述べるように、この準々決勝もおそらくは重く、硬い展開になるだろう。柏にとっては相手のプレスの中で、賢くボールを動かすことが良い結果の前提となる。長短、内外をバランスよく使って相手のプレスの“矢印”を次々に変えさせられれば、相手は消耗し、自然とスペースも空く。そういう“仕込み”を済ませるからこそ、「緩急、一つギアを上げるところが必要」と武富が述べるゴールへのアプローチが効いてくる。天皇杯4回戦の甲府戦(2○1)同様、120分間の決着を念頭に入れて“焦れずに戦う”ことが柏のテーマだ。(大島 和人)