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【J SPORTS Presents イングランドプレミアリーグ特別対談】播戸 竜二×ワッキー 後編②

2015/12/25 16:00



レスターの優勝はあるのか?

――前半戦の最大のサプライズだったレスターは、このまま後半戦も突っ走れるんでしょうか。
ワッキー ほかのチームがけが人を出したり、あんまりうまくいっていない中で、もしかしたらもしかして…ってことはあるかもしれないですよね。
播戸 Jリーグに例えるなら、僕が2年前までいた鳥栖が優勝するようなものでしょうね。あのときは電撃的に監督が代わりましたけど(※1)、レスターも(クラウディオ・)ラニエリが電撃的に代わらないことを祈ります。
ワッキー プレミアからはそれちゃうけど、鳥栖の鎌田大地はたまんないんだよなー。デビュー戦でゴールを決めたけど、そのゴールよりも、左サイドからカットインしてきて、ノールックで超ロングスルーパスを出したシーンが衝撃的だった。豊田(陽平)が決められなかったんだけど。あのボールの持ち方とか、パスのセンスには、ひさびさにしびれましたね。
播戸 鎌田は僕が鳥栖にいるときに練習生で来ていたんですよ。うまかったですよ、やっぱり。だけど、ボーッとしているというか、少し変わった子です(笑)。
ワッキー あと、レスターといえば、プレミアの連続得点記録を塗り替えた(ジェイミー・)バーディーがどれぐらいやるかは気になりますね。
播戸 バーディーは点を取っているけれど、後半はいまほど点が取れないと思う。なぜかというと、そこに“後半戦の落とし穴”があるから。
ワッキー 後半戦の落とし穴?
播戸 前半戦までは、中位から下位のチームも良い攻撃をしようとしてくるんですよ。だから、レスターもカウンターをできたでしょ。だけど、リーグ戦を折り返して、降格という言葉がちらつき始めると、そういうチームは“貝”になりますから。自陣に下がって、ブロックを作って守ってくる。そうなると、バーディーが走るスペースがなくなる。
ワッキー レスターはカウンター型のチームですもんね。前半戦は相手が攻めてきてくれたから、バーディーのあのスピードが生きたところはありますよね。でも、いまのレスターは首位のチームだから、後半戦になったら相手も戦い方を変えてくるかもしれないと。
播戸 今季の大宮はそれに本当に苦しめられたから。夏場までは順調に勝ってきたけれど、そこを過ぎてから対戦相手はJ1昇格プレーオフを狙うために、降格しないために、“貝”になって大宮の良いところを出させないようにしてくる。こちらは優勝しないといけないというプレッシャーもあるので、だんだん勝てなくなってくるんですよね。それまでは点を取りに来たり、自分たちの形を作ろうとしたりするから、戦いやすかったんですけど。
ワッキー それは面白い話だなー。シーズンの後半になるとサッカーが変わってくるというのは。レスターが奇跡の優勝をするには、そこを乗り越えなければいけないんですね。
播戸 その場しのぎで戦い方がコロコロと変わるのは、昇格と降格を繰り返すいわゆる“エレベータークラブ”に多い。監督が代わるたびに、コロコロと戦い方が変わったり、チームカラーが変わったりするチームというのは勝てない。今年のJリーグで優勝争いをした広島、G大阪、浦和もスタイルを変えずに積み上げてきているじゃないですか。そういう積み上げがあるとシーズンをとおして、多少の浮き沈みはあったとしても勝てる。
ワッキー 鹿島なんかはまさにそうですよね。20年以上前のジーコイズムがいまでもチームに生きている気がしますもん。
播戸 そうですね。今までは僕と同世代でもある中田浩二、本山(雅志)、(小笠原)満男がいたけど、彼らがいなくなったあとにどうなるか。クラブのDNAをうまく引き継いでいければ、鹿島の強さは変わらないと思います。ワッキー プレミアの話に戻りますけど、マンチェスターUの場合はファーガソンのあとに、(デビッド・)モイーズが失敗して、(ルイス・)ファン・ハールが来ちゃったじゃないですか。あれが僕はどうにも納得できなくて。播戸 マンチェスターUはギグスが監督になるべきだと思うんですよ。それこそファーガソンの次は、ギグスに20年任せればいい。そうすれば、スコールズとかニッキー・バットとか、レジェンドたちも協力してくれるだろうし、またマンチェスターUは復活するんじゃないかな。

※1 J1で首位に立っていたにもかかわらず、シーズン途中でユン・ジョンファン監督が電撃退任。優勝争いを演じていたサガン鳥栖だったが、ユン監督退任後、チームは順位を落として優勝を逃した。電撃退任の理由は来季の契約交渉の話し合いがうまくまとまらなかったためだと言われる。


後半戦の見どころは播戸の解説!

――最後にあらためて、プレミア後半戦の見どころを教えていただけますか?
播戸 僕は前半戦に調子が良くなかったチームがどれぐらい盛り返せるかに期待しています。(ユルゲン・)クロップのリバプールは後半戦で一気に上がってくる可能性があると思うし、チェルシーだってこのまま終わるとは思えない(※2)。確かにいまの順位は厳しいけれど、上位チームに黒星をつけて優勝争いをかき回してくれそう。
ワッキー 僕はビッグクラブというよりは、あまり人が見ないようなクラブの、あまり人が注目していない選手を見付けるのが好きなので…。ノリッジの(ロビー・)ブレイディー、レスターの(リヤド・)マフレズのような、ああいう選手を発掘したいなと思います。だからJ SPORTSさんには、マンチェスターUやアーセナルとか人気クラブばっかりじゃなくて、マイナークラブの試合中継もぜひお願いしたいですね(笑)。

――それにしても、お二人がプレミアを本当によく見ていることが分かりました。播戸さんはJ SPORTSからプレミアリーグ解説のオファーもあるとか。
播戸 そうなんですよ! カードはまだ調整中ですけど、プレミアについて話せるのが楽しみですね。
ワッキー 播戸選手の声って、すごく聞き取りやすいんですよ。うらやましい。漫才のツッコミに向いていますよ(笑)。

――ワッキーさんの解説を聞いてみたいっていう人も多いと思いますよ。
ワッキー ぜひやってみたいです。でも、ちゃんとした解説者がいて、自由な感じでしゃべらせてもらいたいですね。一応、サッカー経験者なので、細かいボールタッチとか、細かいポジショニングとか、そういうのを延々としゃべっていたい(笑)。J SPORTSさん、ぜひ呼んで下さい!


※2 対談後の12月17日に、チェルシーはモウリーニョの退任とフース・ヒディングの監督就任を発表した。

聞き手:北 健一郎/写真:宇高 尚弘

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