Photo: © Norio Rokukawa
浦和のパスサッカー対G大阪の勝負強さ――。近年、こんな構図で語られがちな両者の対決も15シーズンは5度目。近年の対決では思わぬ伏兵が主役となって来た赤と青黒の激突で今回はG大阪の強力アタッカーがその破壊力を見せ付けた。
準々決勝・鳥栖戦(3○1)と準決勝・広島戦(3○0)では宇佐美がいずれも2ゴール。「(宇佐美)貴史が点を取れば勢いがつく」(今野)チームであるのは間違いないが、G大阪は決して宇佐美頼みのチームではない。「もう一人のエースが今日は活躍してくれた」(長谷川監督)。パトリックの爆発の予兆は試合の序盤に見て取れた。
4分に宇佐美のクロスを合わせてバー直撃の決定機を作り出すなど動きの良さを見せていた背番号29。天皇杯準々決勝・鳥栖戦以降、敵陣深くでの崩しに連動性を見せている大阪の雄だが、シンプルにパトリックを走らせるのは昨季からの大きな武器だ。32分に倉田のパスに抜け出してパトリックが先制点を叩き出したが、チャンピオンシップのリベンジに燃える浦和も36分に興梠のゴールで同点に追い付く。「どちらが勝ちたいという強い気持ちを持てるか」。戦前、長谷川監督が話していた言葉はG大阪の決勝点の場面に表れた。53分のCKでは「浦和はセットプレーのとき、人ばかり見る」(今野)というスカウティングからトリックプレーを敢行。今野が巧妙に槙野の行く手をさえぎり、パトリックが容易くフリーで蹴り込んだ。
もっとも、今季G大阪に1勝3敗と負け越している浦和も簡単には引き下がらない。69分に投入された高木が急造右SBの今野のサイドから再三チャンスを演出。後半だけで13本のシュートを放つものの、新たな浦和キラー、GK東口を中心にしのぎ切り、G大阪が天皇杯の連覇に成功した。(下薗 昌記)