Photo: Atsushi Tokumaru
序盤は互いに緊張から動きの硬さが目立ったが、時間経過とともに一進一退の攻防が繰り広げられた。7分には東福岡のFW餅山大輝がゴール前に抜け出し、シュートを狙ったが相手DFが懸命にブロック。対する國學院久我山も18分にMF名倉巧のパスからMF内桶峻が決定機を迎えたが、シュートはGKの正面に終わった。
互いに1点が奪えない中、均衡を崩したのは東福岡。36分に左でボールを持ったMF中村健人が餅山とのワンツーで中へ切り込み、ゴール前にパスを通した。走り込んだMF藤川虎太朗がワントラップして右に流すと、ラストはフリーとなったMF三宅海斗が左足一閃。抑えの効いた一撃がゴール右下に決まった。
「理想どおり」(中村)の得点で前半を終えた東福岡に2度目の得点場面が訪れたのは後半開始直後。47分にエリア手前でFKを奪うと、3人が肩を組み相手GKの視界を遮る壁役になった。彼らが相手ゴールに背を向けたまま4歩下がったところで屈むと同時に中村がキック。GKの反応が遅れ、ボールはゴールネットに突き刺さった。意表を突いたトリックプレーは昨夏の高校総体準決勝で対戦した立正大淞南が見せたモノ。この日まで隠しとおした飛び道具は本家が東福岡との対戦を含めて2度試し、ともに失敗していた難易度の高い技だった。対戦相手の長所を取り入れた柔軟なプレーによって久我山を引き離すと、67分に餅山が3点目を奪った。以降は前がかかりになった相手のスキをうまく攻略し、藤川と中村が加点。5-0という大差をつけて、90分間を終えた。
東福岡の優勝は連覇を達成した98年度以来。当時はコーチに就任して1年目だった森重潤也監督が長年、待ち焦がれた監督としての優勝だった。指揮官は「最高の舞台で結果を残してくれた選手たちは素晴らしい。指導者としての夢を選手たちが叶えてくれた」と口にした。(森田 将義)