J1昇格を見据え、プレーオフ進出を目標に掲げる今季の東京Vのテーマは、“継続と上積み”になるだろう。羽生英之社長が「(冨樫剛一監督が就任した)一昨年の途中から始めたことを粛々とやり続けることで、どうやって上積みを作っていけるかが、クラブ全体の課題」と言えば、「選手とスタッフのまとまり、監督のマネジメント術、人心掌握術、そして戦術上の組み立て。そこへの積み重ねを信じている」と竹本一彦GM。冨樫監督がチームの編成に求めたのも、「ポジションというよりもチームの継続」であり、「編成に自分は本当に満足している」と語る。
もちろん、100%満足できた編成かと言えば、そうではないだろう。昨季の主力からは、三竿健斗が鹿島へ、佐藤優也が千葉へそれぞれ移籍しており、竹本GMによれば新たな胸スポンサーの契約が発表されたものの、強化予算は昨季と「ほとんど変わらない」。それでも、そ
うしたことを踏まえれば、選手の流出は抑えられたほうであり、チームを方向転換せざるを得ない状況は避けられた。補強もピンポイントで行っている。
上積みの面では、得点力の向上を目指す。選手だけでなく、コーチにもチームのOBで攻撃的な選手だった蓮見知弘コーチが就任。具体的にはシーズン60得点が目標だ。「バランスを取りながら、よりゴールにつながるようにしていきたい」(冨樫監督)。継続へ舵をとりながら、どれだけ上積みができるか。就任から2シーズン、冨樫監督はこれまで二度、目標を達成している。(石原 遼一)