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不運な失点は気を引き締めるための警鐘
手倉森誠監督はタイ戦(4○0)に続いて、またしても前日の宣言どおり、出場機会のなかったMF井手口陽介、DF松原健、MF三竿健斗、GK杉本大地の4人を起用した。システムも[4-4-2]から[4-3-3]へと変更。指揮官は「これから対戦する相手に、日本は何をしてくるんだろうと、戸惑いを生じさせられれば」と語ったが、サウジアラビアの[4-2-3-1]に対して中盤のマークをはっきりさせる狙いもあった。
だが、これが狙いどおり機能しなかった。
「みんなの距離が離れていて、選択が一つズレたら相手にボールを奪われてしまう状況だった」
MF大島僚太がそう振り返ったように、ボールをスムーズに展開できず、反対に相手の10番、ファド・アルムワラドに右サイドの裏を突かれてしまう。
そんな状況でも、流れを半ば強引にでも手繰り寄せる力が、いまの手倉森ジャパンにはある。
32分、大島の目の覚めるようなミドルシュートで先制すると、53分にはMF南野拓実のパスを井手口が決めて2-0。その4分後、不運な判定によるPKで1点差に詰め寄られたが、途中出場のFW浅野拓磨が何度も裏を狙ってサウジアラビアの反撃の勢いを削ぎ、危なげなくゲームを終わらせた。
残念だったのは、サウジアラビアに決勝トーナメント進出を懸けた熱があまり感じられなかったことだ。特に終盤、1点が必要なはずなのに、あっさりと白旗をあげ、手倉森監督が望んだような「しびれるゲーム」にはならなかった。
だが、決して盤石な内容ではなくても、勝ち切る力がチームに備わってきたのは間違いない。「点を取らせなければ勝てるという、勝ち急がない戦い方が今日はできた」
PKによる失点も、あらためて気を引き締めろという警鐘と捉えたい。手倉森ジャパンは慢心なく、決勝トーナメントへと乗り込む。(飯尾篤史)