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来月のJ2開幕と同カードとなったニューイヤーカップ開幕戦。今年から開催となった沖縄ラウンドだが、40年ぶりの寒波で気温は9度以下。さらに強烈な風が両チームの戦い方を難しくした。
前半風上に立った若手主体の札幌は、新主将の宮澤が攻守のバランスを保ち、スペースに顔を出してボールを受け、試合を作った。そして、存在感を見せたのは開催地である西原町出身の上原。積極的に右サイドを駆け上がり東京V守備陣を切り崩すと、25分には鋭い低空クロスからチャンスを演出した。札幌は守備でも課題だった素早い攻守の切り替えを発揮し、最終ラインを上げてコンパクトなサッカーを展開。試合を優位に進めるが、風上の利を生かせずに前半を0-0で終えた。
風下に立った後半はバランスを崩した札幌。チームが入れ替わったかのように東京Vが低いパス回しで札幌のサイド、中央に幾度も攻め込む。特に65分から入ったアラン・ピニェイロが積極的にシュートを放ち、札幌DFを引き付けてゴール前にスペースを作り出した。札幌は前半のコンパクトさがなくなり、全体が間延びしてボールが回らない時間が続く。四方田監督は「風下で押し込まれずにやりたかった。シーズン中も強風のときがある。良い練習になった」と前向きにとらえた。72分に都倉が入ると徐々にゴールを脅かした札幌だが、最後を決め切れない。試合は終了間際までこう着状態だったが、89分、左サイドをペナルティーエリア内で縦に切り込んだ中野を札幌の進藤が倒してしまい、東京VにPKを献上。これを高木大に決められ、この1点が決勝点となった。
試合後、四方田監督は前半の一体感や宮澤のゲームメーク、攻守の切り替えについて「良くも悪くもなかったが、最後まで走れていたし、ボールを奪ったあとに思い切ってやってくれた」と及第点を与え、稲本や小野、増川らベテランを脅かす若手の出現に期待を寄せた。敗れはしたものの、その表情には悲観の色は見られなかった。(屋良 尚平)