Feature 特集

新天地に懸ける男たち DF 上本 大海(仙台→長崎)

2016/1/27 16:30


Photo: © J.LEAGUE PHOTOS

苦節4年。大きな足跡を残した仙台の財産


 12年、仙台が優勝争いをしていたシーズンにCBでコンビを組んでいた二人が、このオフにチームを去った。鎌田次郎、そして上本大海。それぞれ、仙台に大きな足跡を残してきた選手だった。

 上本は12年に仙台に加入。開幕戦となったJ1第1節・鹿島戦(1○0)で無失点に抑えるとともに、「何年かに一度、大事な試合で決めてきた」(上本)というゴールで勝利に貢献。その後も主力として活躍し、速さと強さを兼備した守備でチームを支えた。だが同年の第31節・C大阪戦(1△1)で右ひざ前十字じん帯断裂の大けがを負ってからは、長く負傷に苦しめられた。

 仙台での4シーズンは彼にとっては不本意な時期もあっただろう。しかし、クラブハウスを訪れた最後の日に、「本当に、自分にとってなくてはならない4シーズンだった」と言い切った。

「『過去があるから、いまがある』という言葉を実感している。けがで苦しんでいる間にもサポーターに温かい言葉をかけてもらったり、激励の大きな横断幕を作ってもらったりした。だから、プレーできないときも、『チームのためにできることを続けたい』と思うことができた」

 その言葉どおり、上本は自身が苦しんだ時期も、チームのために声をかけ続けた。もともと明るいムードメーカーだが、そればかりでなく、「嫌われてでも、“ぬるい”雰囲気にならないように声を出したかった」と、嫌われ役も務めた。

 今季、上本はJ2の長崎に活躍の場所を移すが、4年間を過ごした仙台の地について、「“復興元年”の12年から過ごさせてもらった被災地には、これからも何らかの形で貢献したい。復興支援活動でも、ふるさと納税でも」と、気をかけてくれている。

 彼のプレーだけでなく、経験と存在感は長崎にとっても大きな財産になるだろう。(文:板垣 晴朗)

上本 大海(うえもと・たいかい)
1982年6月1日生まれ、33歳。180cm/68kg。鹿児島県出身。北指宿中→鹿児島実業高→磐田→大分→磐田→大分→C大阪を経て、12年に仙台に加入。同年、仙台の優勝争いに貢献し、Jリーグ優秀選手賞を受賞した。今季から長崎に完全移籍で加入。J1通算230試合出場4得点。

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