Feature 特集

新天地に懸ける男たち MF 堀米 勇輝(甲府→京都)

2016/1/29 14:41



初めてとおした“我”。古都への道に退路なし

「正直、自分が10代のころに思い描いていた未来とは違いました」
 クラブの公式HPに掲載された堀米勇輝の移籍についてのコメントの中にある印象的な言葉だ。

 09年のU-17W杯(ナイジェリア)でともにレギュラーとして戦った宇佐美貴史(G大阪)、柴崎岳(鹿島)らがJリーグや日本代表で活躍する姿と自分をずっと比べていたはず。ユース年代での立場がそのままプロでも反映されるとは限らないが、そのころの自信や誇りを持ってプロになったものの、甲府でなかなかポジションを獲得できずにもがき続けてきた末の京都への完全移籍の決断。クラブが打診した期限付き移籍ではなく、完全移籍を主張して退路を断った。

「愛媛での感覚を見失った」という趣旨の話をシーズン中にしていた。一昨季J2で42試合に出場して8ゴールを挙げた自信を昨季の甲府で発揮しようとしていたが、低いラインでボールをもらうことが多い戦いの中では少ないチャンスにアピールできず、リーグ戦は途中出場中心の12試合無得点に終わった。全体練習後の自主練習では山梨の先輩・石原克哉と1対1の感覚を磨いてきたが、天皇杯4回戦・柏戦(1●2)の数的優位な戦いのチャンスでも“個”を見せ付けることはできなかった。甲府の“守備的な戦い方”の中で評価されたくないという思いもあるだろうが、「甲府でレギュラーを獲れなければ、ほかに行っても通用しない」という話もしており、自身の内と外の両方でブレイクスルーの糸口を見付けようとしていた。

 サッカーに真摯に取り組む堀米は、これまで人のアドバイスにも素直に耳を傾け、向き合ってきた。しかし、今回の完全移籍では初めて“我”をとおした。J2の中では予算規模も環境もそろっている京都において、この“我”がピッチ上でどう表現されるのか、甲府のファン、サポーターは熱い思いで見守っている。(松尾 潤)


堀米 勇輝(ほりごめ・ゆうき)
1992年12月13日生まれ、23歳。168cm/62kg。山梨県出身。甲府JY→甲府U-18を経て、10年にトップチーム昇格。13年途中に熊本、14年は愛媛に期限付き移籍し経験を積んだ。J1通算15試合出場。J2通算88試合出場13得点。

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