Photo: © J.LEAGUE PHOTOS
敗れこそしたが熊本がペースをつかむ時間帯も長かった1月31日の千葉戦(1●2)と違って、終始相手に主導権を握られる展開となった鹿島戦。その最も大きな要因は、熊本の持ち味である積極的なプレッシングを表現できなかった点にある。
「鹿島の選手がうまくてつながれてしまうので、どうしても後ろに下がってしまった」と巻。「全員のちょっとしたスライドのスピード、出て行くスピードが少しずつ遅れた」と岡本が振り返ったとおり、ボールへのアプローチという面で、わずかな出足の遅さ、間合いの甘さがあったことは否めない。結果として鹿島の選手にとってはフリーに近い状態でボールをつなぐ余裕を与えてしまうことになった。加えて、「相手も速いから、せっかく奪っても下げて、プレッシャーを受けて、蹴ったところを拾われて、という脱出できない悪循環」(清川監督)に陥り、攻撃でも複数の選手が関わったコンビネーションをなかなか表現できなかった。後半に入り、交代出場の渡邉真智(ユース所属)や上原がカウンターから抜け出す場面を作ったのは、やはり前半を受けて前への意識やボールに対して出て行くことを修正したからである。
一方で、収穫もなかったわけではない。それはあらためて、自分たちの強み、つまり表現しなければいけないことを再確認できたことだ。「良い形でハマるときもあったし、タイミングが合えば鹿島のようにうまい選手が多いチームに対してもプレッシャーがハマる手ごたえは感じた」と岡本は言い、巻も「ズルズル引いてしまうと僕らの良さは消えて、何もできないまま試合が終わってしまうことが分かった」と話している。「やっぱりボール(を奪い)に出て行って、少しでも相手がボールを下げたら、1mでも2mでもラインを上げる、その作業は常にやっていきたい」とは、清川監督の言葉だ。
昨季までのサッカーを継続・継承する上で欠かせない、ボールに積極的にプレッシャーを掛けるスタンスを、開幕までにあらためて高めたい。 (井芹 貴志)