中軸の移籍とCBの枚数不足は団結力でカバーする
ポーランドのシロンスク・ブロツワフに移籍した森岡亮太の旅立ちの日、関西国際空港まで送り届けたのは小川慶治朗だ。「いつもと同じ」とそのときの森岡の雰囲気を語る。ただ、チームは明らかに変わった。「中央の軸」と小川が指摘する森岡、そして、チョン・ウヨンが移籍した。「メンバーが変わり、サッカーが変わる。二人に頼っていた部分もあったし、いまのメンバーでやらなきゃいけない」。新体制の初日を迎え、小川の決意も新たに育まれた。
今季は下部組織からの昇格3名を含め、現在までに10名の選手が加入した。まだ外国籍枠を残しているため、これからも補強の動きはあると想定され、新体制のイメージを固めるのは先となりそうだ。ただ、チームが獲得意思を早いうちから表面化させていた選手の多くを獲得できず、補強が狙いどおりに進んだとは言い難い。さらに、ポジション別の編成を見ると、CBが少ないのは心配だ。村松大輔のCB起用が濃厚だが、本職CBは岩波拓也、高橋祥平、北本久仁衛、東隼也の4名だけ。三原雅俊のCB起用を含めても枚数不足は否めない。チームスタイルのファーストチョイスは、堅い守備からの素早い攻撃。ボール奪取の起点となり、ネルシーニョ監督の戦術遂行のカギを握るCBには不安が残った。
それでも、藤田直之や村松など、ハードワークをDNAに宿す選手を獲得できたことは補強面で大きなプラスだ。今季は昨季継続して取り組んできたことを「研ぎ澄ます」(田中英雄)シーズン。代えのきかない森岡の抜けた穴は全員で埋めることが求められ、誰にも“依存”できない中で勝利を得るには、団結のマネジメント力が問われるとも言える。(小野 慶太)