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濃密な6年。その背中を広島は忘れない
「内容の濃い6年間を過ごさせてもらった。悔いはない」。10年に川崎Fから広島に加入し、12年、13年、15年のリーグ優勝を勝ち取ったメンバー、山岸智が広島を去った。
ラストゲームとなった天皇杯準決勝・G大阪戦(0●3)。サポーターの鳴り止まないコールに見送られた山岸は、6年間を感慨深く振り返った。「川崎Fで苦しい時期を過ごしていたときに声を掛けてもらって、最初はミシャさん(ペトロヴィッチ現・浦和監督)が監督をやっていて本当に素晴らしいサッカーを展開していた。ポイチさん(森保一監督)に代わってからは守備の基礎がしっかりと築けて、タイトルを獲れるチームになった。そういう中に自分がいられたことを本当に誇りに思う」
近年はけががちで、昨季もスタートから苦しい時期を過ごした。しかし、山岸は腐ることなくトレーニングに打ち込み、チームメートから尊敬を集めるほどプロフェッショナルな姿勢を貫いた。「最後まで自分を信じていたし、若手に対して『腐ってはダメだ』ということもずっと言ってきた。応援してくれる人がいる限り、全力でやらないといけない」
そして、昨季のリーグ戦出場2試合目で、山岸は大仕事をやってのけた。「あの得点がなかったら優勝はなかった」と佐藤寿人に言わしめる、2nd第14節・川崎F戦(2○1)で奪った後半ロスタイムの決勝ゴールは、これからもサポーターの間で語り草となるだろう。そして、若い選手たちも腐らず続けてきた山岸の背中を忘れることはないはずだ。
「退団するのはちょっと残念だけど、広島で素晴らしい経験ができたことをこれからのサッカー人生に生かしていければ」
新天地の大分でも山岸の存在はチームメートに大きな影響を及ぼすはずだ。(寺田 弘幸)
山岸 智(やまぎし・さとる)
1983年5月3日生まれ、32歳。181cm/78kg。千葉県出身。市原JY→市原Y→千葉→川崎Fを経て、10年に広島に期限付き移籍で加入。11年に完全移籍。12年、13年、15年のリーグ優勝に貢献した。今季から、J3大分でプレーする。06年には日本代表に初選出され、オシムジャパンで国際Aマッチ11試合に出場した。J1通算290試合出場29得点。