Feature 特集

新天地に懸ける男たち MF 明神 智和(G大阪→名古屋)

2016/2/10 11:30


Photo: © J.LEAGUE PHOTOS

鉄人は戦いの場にその身を置き続ける

過密日程だった15シーズンの有終の美を飾るべく挑んだ、浦和との天皇杯・元日決戦。連覇に成功したG大阪の選手たちが、歓喜に浸る中、37歳だったチーム最年長のベテランは、新たな舞台での挑戦に思いを馳せていた。

 明神智和。言わずと知れたJリーグ屈指の鉄人である。14年には悲願だったリーグタイトルも手にし、国内とアジアですべての栄冠を自らの履歴書に書き込んできた明神だったが、昨季クラブからはスタッフとしての入閣を求められていた。

「迷いました。ガンバにも良くしてもらっているのが分かりましたし」

 入閣=現役引退、である。06年にG大阪に加入後、遠藤保仁や二川孝広らとともに“黄金の中盤”を形成。10年間在籍した大阪の雄への愛着も年々増すばかりだった明神だが、今季あえて選んだのは自身のキャリアにとって3クラブ目となる新天地・名古屋での挑戦だった。

 G大阪では常に宇佐美貴史や遠藤ら華のあるプレーヤーが主役の座にすわって来たが、確かな“脇役”がいるからこそ主役もその役回りに専念できる。

「それだけの(価値がある)選手」

 天皇杯で連覇を達成した直後の表彰台で、“背番号17”を着込むパフォーマンスを見せた遠藤の言葉に、明神という男の価値が集約されていると言っていい。

「まだ現役でやりたいという思いが強かった」

名古屋への移籍を決めたのは、現役への単なる未練ではない。昨季のJ1リーグ戦出場はわずか10試合にとどまったが、ACLの準々決勝・第1戦(0△0)ではKリーグ王者の全北現代相手に、フィジカルコンタクトでも一歩も負けない強気のプレーを披露。全盛期の運動量はなくとも、「鉄人」と呼ばれた凄みを随所で見せ付けた。

「新たなチームでイチ選手として勝負したい」

 1月24日に38歳を迎えた鉄人はあえて、戦いの場にその身を置き続ける。(下薗 昌記)



明神 智和(みょうじん・ともかず)
1978年1月24日生まれ、38歳。174cm/70kg。兵庫県出身。イーグルスユナイテッド→柏Y→柏を経て、06年にG大阪に加入。今季名古屋に完全移籍。00年にはシドニー五輪に出場し、日本のベスト8進出に貢献。同年、A代表にも初招集され、02年には日韓W杯に出場した。国際Aマッチ通算26試合出場3得点。J1通算482試合出場26得点。J2通算20試合出場。

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