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クラブ史に燦然と刻み込まれるであろう新スタジアムのこけら落とし。「どうしても勝たないといけないという雰囲気になるだろうから、より本番に近い雰囲気になる」と遠藤も実戦さながらの緊張感を予想する。
そんな最高の舞台装置に長谷川監督が送り込むのは今季の意気込みが透けて見える陣容だ。
「昨年はシーズン序盤に点が取れずに苦戦した。今年はすんなりとスタートを切りたい」(長谷川監督)。
宮崎キャンプの打ち上げとなった甲府との練習試合(0△0)ではパトリックを最前線に配置し、宇佐美と倉田、阿部が2列目に並ぶ“15年仕様”の機能性を確認した。攻守でバランスが取れる配置はいわば“保険”。就任4年目の今季、長谷川監督が目指すのは攻撃面での新たな積み上げだ。決定機が皆無でスコアレスに終わった7日の甲府戦ではあるが指揮官は「ビルドアップなど作りの部分は良かった」と評価する。名古屋相手に模索するのは、敵陣内での新たな化学反応である。注目はトップ下のアデミウソンと右サイドの藤本の機能性。長谷川ガンバに欠かせない守備面のタスクを体にしみ込ませている段階ではあるが、藤本は清水時代からの長谷川チルドレンの一人。そしてアデミウソンに関しても「足りないことがあれば、指摘して欲しい」と長谷川監督に申し出たほど、積極的にチームのタスクを吸収中。「どんどんチームに組み込んで、プレーして、あとは結果を出していけば乗っていってくれると思う」(長谷川監督)という適応の最終段階に入りつつある。
そして名古屋戦で特に期待がかかるのは日本代表経験を持つレフティーのフィットぶりだ。
「(藤本)淳吾はパスの出し手にもなれるので右で作って左で仕留める形が増えれば」と長谷川監督。昨季はゲームメークとフィニッシュの双方を託された宇佐美だが、藤本の存在によってよりシュートに専念する場面も増えるはず。もっとも藤本自身も「得点に絡みたい」と単なるパサーに終わるつもりはない。
単なるプレシーズンマッチにあらず――。実力者たちが目の色を変えてピッチに立つ。 (下薗 昌記)