宮崎キャンプでの誤算の一つは、期待の新加入CBデニス・ハリロヴィッチが負傷し、別メニューが続いたことだ。かつてミロシュ・ルス監督が率いたスロべニアの年代別代表では主将を任されたほど指揮官の信頼は厚く、山形から加入の西河翔吾とともに守備のテコ入れの目玉だっただけに、実戦での連係を深められなかったことがチーム作りに与えた影響は小さくない。
守備もさることながら、ハリロヴィッチにはビルドアップでも高い期待が懸かっている。ボールをある程度持たせてくれたC大阪戦はともかく、大田シチズン戦と熊本戦では前線からのプレスに苦しみ、ボールを前線まで運べない場面が目に付いた。攻撃のスイッチを入れる場面でのミスからボールを失うと、後手に回った状態から守備が始まるため奪い返す位置が低く、良い攻撃につなげられずにまたミスが出るという悪循環。その点で、「足元が良いし、見ているところも良い」と主将の寺田紳一が評するハリロヴィッチが最終ラインに加わりビルドアップが安定すれば、マイボールの時間が増えて、落ち着いた試合運びが可能になるはずだ。
ハリロヴィッチは今週から練習に完全合流して主力組でプレーしている。そして得点力不足の解消へ、かねてから噂のあった外国籍FWも大田シチズン戦をベンチで観戦していた。攻守のピースがすべてそろい、チームとして完成するにはもう少し時間がかかるかもしれないが、長丁場のJ2だけに、遅過ぎるということはない。J1昇格プレーオフ圏という目標達成へ、体制は整いつつある。(芥川 和久)