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■サンフレッチェ広島
王者として迎える開幕戦。覚悟を決めて厳しいシーズンへ臨む
今週末に日本各地で16年のJリーグが開幕するが、広島にとって開幕戦は今季3試合目の公式戦だ。すでに富士ゼロックス・スーパーカップでG大阪を破ってタイトルを獲得し、ACLの開幕戦で山東魯能にホームで手痛い敗北を喫した。J開幕戦は5連戦の折り返し地点となる。「開幕戦に本当にベストのコンディションで臨めるかどうか分からない」と森保監督が問題提起する日程には一考の余地があるだろう。
とはいえ、「決められたスケジュールでベストを尽くすことをわれわれはやっていかないといけない」(森保監督)。スケジュールを言い訳にするつもりは毛頭ない。ハードなシーズンを戦い抜くために指揮官は戦力の底上げを図り、誰が出てもチーム力を落とさない準備をしてきた。すでに2試合出場した選手の疲労を考慮し、さらに3月1日のACL第2節、アウェイ・FCソウル戦へのマネジメントもしないといけない。指揮官は直前までメンバー構成に頭を悩ませるだろうが、自信を持って11人を送り出すはずだ。
すでに2試合を戦った経験もプラスに変えたい。特に山東魯能戦の逆転負けは教訓にしないといけない。先行逃げ切りが広島の必勝パターンであり、試合終盤にチームの総合力を示して違いを生み出せるところがチームの強み。ピーター・ウタカが加入した前線の連係が高まって得点力が安定するまで、より我慢強く試合を進めていく必要もある。パスをつないで敵陣に侵入するクオリティーが高く、最前線に大久保を擁する川崎Fと対する意味でも、守備の耐久力は勝利に欠かせない要素となる。森保体制5年目の今季は、前年王者として迎える3度目のシーズン。厳しいシーズンになることへの覚悟を決め、前年王者としてのプライドを持ち、広島は川崎Fを迎え撃つ。(寺田 弘幸)
■川崎フロンターレ
風間フロンターレが持つ“うまさ”をどう得点につなげるかがポイント
例年より1週間早い開幕ではあるが、チームの空気は変わらない。風間監督就任5年目ということもあり、ベースの部分はしっかりと根付いているぶん、大きく危惧される部分はいまのところない。昨季30試合に出場した武岡が肉離れで離脱し、長期の負傷から復帰した登里が再び違和感を覚えて全体練習を回避しているが、けが人は最小限に抑えられたと言える。ただ、その一方で期待感が大きく膨れ上がっていないというのが現状だ。「試合になってみるとハマるかもしれないけど、少し不安」というのは大久保の声だ。当初は[4-3-3]でエドゥアルド・ネットをアンカーに置いた形で準備を進めていたが、うまくハマらず。最終的に[4-4-2]に落ち着いた。そんな中、今季から加入した奈良や狩野が主力組に名を連ねているのだが、チームとしてのうまさは際立つ一方、怖さや迫力に欠ける。“ボールを失わない”という前提が風間フロンターレにあることは間違いなく、遅攻ができるメンバーがそろっているのは強みだ。ただ、相手がスキを見せた際にスピードとテンポを上げてゴールまでダイレクトに向かうことが最良の選択となる局面で、それができるかどうか。新加入の狩野が自身の課題と目標として語っていた「ゴールに絡む」という部分を体現できるかというのもポイントになる。
「特にこの相手には先制点が大事になる」(中村)。開幕戦の相手となる広島に強かにペースを奪われないためにも、これが最大のポイントだ。仕留める場面を逃さないことが最も求められ、チームの現在地を図るには格好の相手と言える。ボールを持つのではなく、ゴールを奪う。最高のスタートを切るためにはこれを頭から一瞬たりとも外してはいけない。(竹中 玲央奈)