Photo: Atsushi Tokumaru
■柏レイソル
メンデス色に染め直す作業が進行中
柏のスタイルは一冬で一新された。昨季は「ボールを持つことで守備の機会も減る。相手を走らせる」(大谷)という保持志向が強かったが、ミルトン・メンデス監督はボールを早めに前へ入れてクロスを上げ切る、シュートを打ち切るスタイルを浸透させようとしている。新監督は守備でも早めに相手を捕まえつつタイトに寄せて「体がぶつかるような状況」(大谷)で対応することを要求する。つまり柏では吉田前監督の色を抜き、メンデス色に染め直す作業が進んでいる。
指揮官が要求する速さ、アグレッシブさ、球際の鋭さは、昨季の柏が欠いていた部分だ。大谷が「去年のモノを捨てるというよりは、うまく融合させられればいい」と述べるように、良いところを残しつつ“バージョンアップ”ができれば確かに理想的だろう。とはいえ何かを強く求めれば、ほかの何かを失うのが世の習い。14日のちばぎんカップ(0●3)で、柏はボールを動かすという昨季の強みを失っていた。ただそこからCBが早めにボールを離す、ボランチは動き出しのタイミングを遅らせるという微修正が奏功し、先週末のトレーニングマッチは内容と結果の両面で改善を見せた。
もちろん成熟しているとは言い難い状況の柏が、浦和から勝利を得ることは容易でない。しかしタイトな守備、速い攻めはボールを握りつつ人数をかけて攻めてくる相手に有効な部分。大谷は「強い相手に勝てば、自分たちが今までやっていたことについて、自信を深めて2節以降にいける」とその先も見て開幕戦の重要性を強調する。柏はホームで、内容が結果を呼び、結果が内容を深めるという好循環をスタートさせたい。(大島 和人)
■浦和レッズ
ACL初戦で勝利。明るい雰囲気で開幕戦に臨む
ACL・シドニーFC戦の勝利から中2日。リーグ開幕戦は浦和にとっては今季公式戦2試合目だが、「みんなが待ちに待った感が出る」(李)リーグ開幕戦はやはり特別なモノだ。
すべての大会で昨季の成績を越えることを目標としている浦和にとって、ACLはまずはグループステージ突破が目標となるが、リーグで狙うは年間勝ち点1位であり、タイトルだ。その重要な初戦の相手は柏。今季から監督が代わり、比較的情報がない相手だが、宇賀神は「今までより守備的で、守備からのカウンターが鋭いというイメージ」を持っており、「我慢の戦いになると思うので、相手より多く戦って、走る」ことをポイントとした。それは浦和のベースであり、2-0で勝利したACL開幕戦にして今季の公式戦初戦となったシドニーFC戦と同様だ。シドニーFC戦では浦和らしいサッカー、特に攻撃面でのコンビネーションを見せる機会は多くなかったが、キャンプで強調して取り組んできた攻守の切り替えや運動量、球際の戦いは見せられた試合だった。何より公式戦の初戦で勝利したことは「Jリーグの公式戦にもポジティブな影響をもたらす」(ペトロヴィッチ監督)だろう。シドニーFC戦の前日に永田は「勝てばチームが全体的に明るくなる」と話していたが、実際にシドニーFC戦後、そして翌日の選手たちは明るかった。続けてJリーグの開幕戦も結果を残せれば、良い流れが作れるはずだ。
もちろん、勝って浮かれているだけではない。リーグ戦には「(昨季の)悔しさが十分にモチベーションになっている」(宇賀神)。その払しょくと歓喜へ向けた浦和のシーズンが始まる。(菊地 正典)