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■横浜Fマリノス
中村俊輔の欠場濃厚。耐久力がカギに
開幕直前に中村がインフルエンザを発症し、開幕戦の出場が難しくなった。今季は始動日からフルメニューをこなし、トップ下のポジションでプレーしていただけに、チームにとっても大きな誤算だ。
代わりにトップ下に入るのは3年目の天野になる見込み。昨季終盤から頭角を現し、中村よりも相手ゴールに近い位置でプレーできるタイプの選手である。開幕1週間前に抜てきされた天野は「試合に出るだけではなく存在感を発揮しなければいけない」と意気込む。ゲームメークよりもセカンドストライカーとしての役割で中村とは異なる顔を見せたい。
だがセットプレーのキッカー不在という問題はチームに重く圧し掛かる。エリク・モンバエルツ監督も頭を悩ませており、キッカーについて「(中村)俊輔のクオリティーを持った選手はいない」と言葉を振り絞った。過去の仙台戦では拮抗した展開をセットプレーで打開してきた歴史があるだけに、天野のキックが中澤やファビオに合うかどうかはポイントだ。
クラブは新外国籍選手の獲得を明言しているが、開幕に間に合わなかったのは痛恨の極みと言える。現時点でアデミウソンが抜けた穴は埋まっておらず、ラフィーニャの長期離脱と中村の欠場が追い打ちをかけた。オフェンス面に光明を見いだすのは難しい。
頼みの綱はチームの生命線である守備となる。今季も最終ラインの軸となる中澤は語気を強める。「守備は去年からの継続なのでベースはある。マリノスは失点ゼロが当たり前のチーム」
まずは失点のリスクを減らしつつ、少ないチャンスを生かせるか。我慢と忍耐が求められる開幕戦になるが、しぶとい戦いで勝ち点3をもぎ取りたい。(藤井 雅彦)
■ベガルタ仙台
“堅守賢攻”の発展・上積みに力を注げる1年
2年目の“堅守賢攻”が試されるシーズンが始まる。
渡邉監督は昨季より、堅い守備から素早く攻撃に切り替え、多様な手段を状況に応じて使い分ける“堅守賢攻”を打ち出し、将来に向けた仙台のスタイルを構築してきた。しかし、選手の入れ替わりが多かった昨季は、ベース作りに追われ、安定した結果を出すのが難しかった。そのため連勝も少なく、年間順位は14位に終わった。
しかし、主力の流出がほとんどなかった今季は、ベース構築よりも、発展・上積みに力を注げる1年となる。「結果にこだわらなければいけない年」とする指揮官は“トップ5入り”という高い目標を掲げ、選手も「アウェイの初戦から勝利にこだわり勢いをつけたい」(石川直)と意気込む。
開幕戦の相手である横浜FMは、昨季のJ1リーグ戦で2番目に失点(32失点)が少なかったベースを継続しているチーム。また、仙台と横浜FMの対戦はこれまでにもロースコアの“堅い”試合を多く経験してきた顔合わせでもある。仙台にしてみれば、攻撃の手段増加と精度向上を目指してきたキャンプの成果が試される相手と言える。
昨季最後の公式戦となった天皇杯準々決勝・柏戦(3△3、3PK5)の前に「ある程度今季につながるベースを落とし込んだ」(渡邉監督)ことでサイド攻撃の手段増加の種をすでに蒔いている。そこに、レフティーの三田、左右両サイドから速いクロスを送ることができる水野といった昨季の仙台にない特長を持った新戦力を加えることで、仙台は横浜FMの堅守を崩すことができるか。しぶとく、焦れずに巧打を繰り出し、仙台は敵地での勝ち点3獲得を狙う。(板垣 晴朗)