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■ガンバ大阪
新スタジアムでの開幕戦。勝利は不可欠
ACL制覇とJリーグ王者の奪回を二大目標に掲げるG大阪。すでに公式戦2試合を終えている大阪の雄ではあるがJリーグの開幕戦は、やはり特別だ。
14日のパナソニックカップでこけら落としされた市立吹田サッカースタジアムで迎える初めての公式戦が、この鹿島戦である。J最多のタイトルを誇る東の横綱と、2番目に多い9つの栄冠を手にして来た西の横綱のぶつかり合いは、新スタジアムで迎えるシーズンの幕開けに相応しいカードである。
ACLでのアウェイ戦から中3日で迎える開幕戦だが、長谷川監督は当初から、8連戦を見据えたメンバー構成をその脳裏に描いてきた。「同じメンバーでは回せない。コンディションを考えて起用は考える」。指揮官は早くもACL初戦で大黒柱の遠藤を64分までベンチに温存。アデミウソンはピッチに立たず、藤本に至ってはACLの遠征メンバーからも外れたが、こうした起用法は本気で“二兎”を追う姿勢の表れでもある。
満を持して開幕戦に挑んで来る鹿島に対して、G大阪は早くもシーズン3試合目。動けることを大前提にした11人をピッチに送り出す。“負けない”ことを主眼に置いたACLの水原三星戦とは一転して、開幕戦は勝利が不可欠なゲーム。指揮官がテコ入れを図るのは前線の組み合わせだろう。長谷川監督は言う。「今年も序盤は攻撃の組み合わせを模索していかないといけない」。富士ゼロックス・スーパーカップでは過度に守備を意識し、攻撃面の良さが消えたアデミウソンをいかに起用するかは序盤戦最大の課題。「ブラジル人同士の連係があまり良くない」と長谷川監督も話すだけに、周囲を生かすことに長けた長沢の抜擢は決してサプライズではないだろう。 最終ラインに関しても連戦を見据えて再び今野のCB起用もオプションの一つ。「今年も1stステージは短期決戦。良いスタートを切りたい」(倉田)。歴史的な開幕戦で、目指すのは勝利のみだ。(下薗 昌記)
■鹿島アントラーズ
練習では基礎に立ち返り、プレスの掛け方を確認
大きな相手を前にしたとき、誰でも心に一抹の不安がよぎる。「この相手に勝てるのか?」。甦る敗戦の記憶。ふくれ上がる敵の姿。これを打ち消すには、確かな裏付けが不可欠だ。しかし、一度それを手にしたら、もう恐れる必要はない。自信を持って相対すれば分かる。恐れているのは彼らのほうだと。
「鹿島、強し」
14年の三冠王者に完勝した昨季のナビスコカップ決勝の戦いは、G大阪だけでなく、リーグ全体にそのイメージを刻み込むことに成功した。ステージ優勝には届かなかったが、2nd第17節も名古屋にきっちり勝利(1○0)したことで、選手たちは良いイメージを持ったまま新たなシーズンに入ることができている。さらに金崎も“残留”。昨季終盤の主力がすべてそろった陣容は、チームを熟成できずにいた近年とは違う。とはいえ、それは相手も同じこと。だからこそ、勝ち切った完勝のイメージは重要な役目を果たす。
ただし、チームは生き物。昨季できたことが今季できるとは限らない。プレシーズンの戦績が思わしくないこともあり、今週はプレスの掛け方からスタート、開幕前にもう一度基礎に立ち返った。後戻りした感もあるが、リオ五輪アジア最終予選に参加していた3人(櫛引、植田、三竿)にとっては渡りに船。宮崎キャンプでは戦術練習にほぼ参加できなかったため、理解を進める絶好の機会になった。特に、柴崎と永木の出場が難しく、ボランチの一角を任される三竿は「だいぶ分かってきた」と手ごたえを感じていた。超満員の吹田Sでは声も通りづらいはず。どこまで連動性を高めても無駄にはならないだろう。
金崎の登録も完了し、コンディションが良ければ試合出場に問題はない。しかし、鈴木が練習試合で負傷。ファン・ソッコも韓国に一時帰国した。メンバー的には万全ではない。それでも確かな自信がある。勝てばさらに大きなモノが得られるだろう。(田中 滋)