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8年ぶりのACL制覇に向けて攻撃陣でぜいたくなテコ入れを図ったG大阪だが、昨季との最大の違いは、その経験値にある。「最初から難しいと思って大会に入る」(長谷川監督)。昨季は結果的にJリーグ勢で唯一となるベスト4進出を果たしたものの、グループステージでは薄氷を踏む戦いが続いたのも事実。1分2敗という絶体絶命に近いスタートを味わったことで、指揮官は今季に向けて、“安全運転”を学んでいた。
前半にパトリック、後半開始早々に宇佐美が決定機を得たように、G大阪は決して専守防衛の戦い方を志向したわけではない。ただ、遠藤温存の狙いは「昨季序盤は先制されていたが、この時期はひっくり返すのがなかなか難しい。きちんと守備から入る狙いもあった」(長谷川監督)。広州富力と城南FCに連敗スタートを喫した昨季序盤のスコアはいずれも0-2。開始早々に不用意に失点し、前がかりになったところに再度被弾するという負けパターンだった。そんなチームが脅威の巻き返しを見せた背景にあったのは「まず先制点を与えないようにする」(丹羽)という意識改革だ。
この日、井手口と今野のボランチコンビで“良い守備から良い攻撃”への意識を高めたG大阪は、序盤の劣勢も割り切って対応した。「耐えるところは耐えて、攻めるときにはしっかりと行けていた」と胸を張るのは丹羽である。最後尾でファインセーブを見せた東口あってこその戦術ではあるが、粘り強い守りで徐々に相手の焦りを引き出した戦い方は、決して間違いではなかった。
指揮官がグループステージ突破に向けて掲げるのは勝ち点12の奪取。ホームで3勝することが大前提になるが、敵地で得た勝ち点1には昨季の教訓が確かに生かされていた。(下薗 昌記)