それまで劣勢だった名古屋が、一撃で試合を決めた。29分、中盤でボールを奪うと右サイドからのクロスに中央で合わせたのは、新外国籍選手のシモビッチ。199cmのJ1最長身FWがヘディングでネットを揺らした。このゴールは名古屋に心のゆとりを与え、以降は試合開始からバタバタしていたのが嘘のように落ち着いて試合を進めた。
特に光ったのがセカンドボールの回収率だ。磐田の名波監督が「8割以上相手にこぼれた」と振り返ったように、五分五分のボールを拾うのはことごとくアウェイチームだった。中でも田口は出色の出来で、先制点の場面も最初にボールを刈り取った背番号7が起点となっている。
また田口は球際の攻防で闘争心を剥き出しにしながら、熱くなり過ぎることもなかった。シンプルな攻撃が多かった名古屋だが、主将の視野の広さを生かした適切な配球も見逃せない。
一方の磐田は前半序盤の質が高かっただけに、失点後にトーンダウンしたのが悔やまれる。また、後半はほとんどフィニッシュに持ち込めず、活路がアダイウトンの単独突破のみではゴールは遠い。次節、浦和戦へ向け、どこまで修正できるか。(青木 務)