罠――。インパクトのある言葉でネルシーニョ監督も三原も試合を振り返った。「相手のしかけた“罠”に入り守備から攻撃をしかけられた」(三原)。ボールを保持して攻める神戸に対し、甲府は自陣で組んだ[5-4-1]の守備ブロックに相手を誘い込み、奪ったボールを素早く前線に預けて速攻に持ち込んだ。ポゼッション時間の長さとは裏腹にスイッチとなるパスも、コンビネーションも滞った神戸は、甲府の“罠”から最後まで抜け出せなかった。
神戸はレアンドロとペドロ・ジュニオールの2トップが縦の関係になりながら攻守をけん引する。だが、シュートを打ち切れずにボールを失うと、甲府が守備からリズムを作り出す。42分にニウソンとの大きなワンツーからクリスティアーノが決めて試合の主導権を握ると、78分にはカウンターから再びクリスティアーノが決めてダメ押しに成功。神戸のオフェンスを90分にわたり沈黙させた。
試合後、佐久間監督が言葉にしたのは、サポーターなど支えてれくれた人たちへの感謝だ。「みんなが努力したことが今日の勝ち点3につながった」。勝者だけに許される台詞を残し、甲府のJ1での開幕戦初勝利、そしてアウェイ神戸戦の初勝利を喜んだ。(小野 慶太)