決して鮮やかな、美しい勝利ではなかった。しかし、浦和はしぶとく勝ち切った。前半は中央を固めてスペースを消す柏に対して、サイドを中心に攻撃を組み立て、「(前に)張っていても(ボールを)もらえないと思った」興梠がポジションを下げて攻撃の組み立てに参加すれば、「(興梠)慎三がボールを触りに下がっていた」と判断した李が最前線に出るなど、流動的にポジションを変えながら工夫をこらす。ボールを失ってからはキャンプで強く意識してきた素早い攻守の切り替えと前線からのプレッシャー、プレスバックで柏に攻撃らしい攻撃をさせず、37分までシュートゼロに抑えた。
しかし、先制後に運動量が減ると柏に押し込まれ、同点とされてからはオープンな展開となった。浦和が攻撃をしかけていくこともあったが、この展開は決して望ましいモノではなかった。それでも武藤が蹴ったCKをズラタンが合わせて決勝点。「途中から出てきた選手が決めるということはチームにとってプラス」と興梠が話したが、那須を含めて途中交代の選手が役割を果たしたことはチームとして大きい。
流れをつかんだ時間帯で得点し、苦しい時間帯で失点、または追加点を許さずに勝利したことはACL第1節のシドニーFC戦(2◯0)と同様。内容がパーフェクトではなくとも、選手たちが以前から話してきたメリハリ、そして決めるべきときに決めて、守るべきときに守ることができているのは、流れとしては良好と言える。ここ数年、特に昨季に味わった悔しさから「結果がすべて」(関根)という意識を選手たちが強く持って今季に臨んでいる。あくまでまだ1試合、公式戦でも2試合が終わったばかり。それでも、スタートは上々だ。(菊地 正典)