開幕直前にトップ下に抜擢された天野が持ち味を出せずに途中交代し、攻撃のけん引役として期待されている齋藤も不発に終わった。持ち前の守備も、仙台をわずかシュート3本に抑えながら一瞬のスキを突かれて手痛い失点を喫した。惨敗した昨季の開幕戦(川崎F戦・1●3)のように試合内容で圧倒的に劣っていたわけではないが、負けは負けである。
試合後、中澤は呆れた表情で心境を吐露した。「昨季と同じだった。試合内容も負け方も」 後半は圧倒的に押し込み、相手陣内で試合を進めた。しかし、本当の意味での決定機はなかった。ストライカーの伊藤が「崩し切れていないという感じ」と話したように、最終局面で精度を欠いた印象は強い。現状のままでは今季も得点力不足という積年の課題は解消されないだろう。
苦しいスタートとなった感は否めないが、それでもまだ1試合目を終えただけである。オフにアデミウソンが退団し、ラフィーニャがキャンプ中に長期離脱を余儀なくされ、開幕直前に中村がインフルエンザを発症して欠場した。攻撃の主力がこれだけ抜けているのだから昨季と比較して戦力ダウンしているのは、いわば当然だ。開幕戦という期待感に惑わされて34分の1の敗戦に一喜一憂してはいけない。
対戦相手の仙台は期待の新戦力が目に見える結果を残してチームに上積みをもたらした。対して横浜FMは先発全員が昨季から所属している選手で分かりやすいプラスαはない。しばらくは我慢の戦いが続くことを再確認した開幕黒星だった。( 藤井 雅彦)