結果が欲しい一戦で昨季からの課題に光明
ゴールに向かう姿勢、ボールの動かし方、チャンスの回数、どの角度から試合を見ても相手を上回っていたのは東京Vだった。ボールを保持しながら両サイドを起点とした攻撃で、立ち上がりから札幌陣内に攻め入っていく。
ポイントになったのは新戦力のドウグラス・ヴィエイラ。ハイボールの競り合いでは劣勢になる場面も見られたが、懐の深さと柔らかいタッチでボールをキープ。相手の寄せに対しても柔軟に対応し、ボールの収まりどころとして前線の起点となった。
ただ、ブロックを作る相手に対して得点を奪えなかったことが、昨季の東京Vに残された課題でもある。この試合でもペナルティーエリア内になかなか入って行けず、攻めあぐねる時間が続いてしまう。だが、一つの采配が試合を動かす。「相手の3バックのフィジカルコンディションを気にしていた」と、冨樫監督は試合後に交代のタイミングを振り返ったが、相手の動きが落ちてきた70分に、前への推進力を持ったアラン・ピニェイロを投入。この交代は「自分たちのバランスを崩すことにもつながりかねなかった」(冨樫監督)が、リスクを負って攻撃に出たことで、決勝点が生まれることとなる。
結果に結び付いたのは75分。東京Vが自陣からカウンターをスタートさせると、ハーフウェーライン付近でボールを受けたピニェイロがスピードアップ。ゴール前まで持ち運ぶと、最後は相対した河合をかわして冷静にゴール左へ沈めた。内容よりも結果を求めた初戦。チームでつかんだ価値ある決勝弾は、東京Vに4年ぶりの開幕勝利をもたらした。
一方、札幌は90分をとおして攻守の狙いがハッキリせず。四方田監督は「良い守備から良い攻撃につなげるのが今日のテーマだった」と語ったが、守備で後手に回っての敗戦。目標とする自動昇格に向けても、課題の多い幕開けとなった。(林 遼平)