試合を決めたのはドイツから帰ってきた男だった。同点直後の90+6分。阿部のクロスに吉田が競ると、こぼれ球に反応した山本が2度のシュートを放つ。これに船山も詰めるが相手のブロックに三たび阻まれる。すると、「こぼれてきてラッキーだった」という長澤は無我夢中でゴールにねじ込んだ。「うまいこと点が取れて良かった」と振り返った背番号10は、ネットにボールが吸い込まれたのを確認すると、拳を突き上げ自らの存在をアピールするかのように喜びを爆発させた。
クラブから10番を託されるなど、期待を背負って千葉に加わった長澤。しかし、チームが始動すると、周りとの呼吸が合わず、キレのあるドリブルから得点に絡む場面もなかった。ニューイヤーカップ宮崎ラウンド・熊本戦(2●1)後には「試合もあまりやっていない状況だったので、攻撃や守備で声を掛け合ってやることが多かった。徐々に合わせて行ければ」と課題を口にしていた。その後もコンディションや連係面が上がらず、ちばぎんカップ(3●0)でもベンチスタート。開幕1週間を切ったトレーニングでも、先発組と控え組を行き来する状況だった。
迎えた開幕戦でも先発の11人に長澤の名前はなかった。心に期するモノがあったはずだが、得点以外はボールに触る回数が少なく本来の良さを見せることはできなかった。それでも、最後に役割を果たすところは「さすが」の一言である。
「(今後は)どんどんゴールに絡んでいけるようにやっていきたい」(長澤)。この移籍後初得点をきっかけに、本来の姿を取り戻すことができるのか。次節以降に期待したい。(松尾 祐希)