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■大宮アルディージャ
開幕戦で得た自信。連勝すれば確信に変わる
ついに、J1がNACKに帰ってくる。
14年12月6日。勝利を収めながらもJ2降格が決定するという苦い経験は、クラブに教訓として深く刻まれている。あれから約1年半。アウェイでの開幕戦は終えたものの、再びNACKでJ1を戦うことには特別な意味がある。
J2での鍛錬を経て得たモノについて、攻撃の核・ムルジャは次のように証言している。「昨季はJ2で勝利の継続を得た。間違いなく自信を得ることができた。自信というのはプレーヤーにとってすごく重要なこと。われわれ全員は昨季から自信を背負っている。昨季から得た自信こそ、今季も生かすべきだと思う」
勝利を重ねていく経験は、J1でも生きる。そう証明するためにも、まずは結果を残さなければならない。開幕戦・FC東京戦は苦しい展開をしのぎ切り、1-0の勝利。J1復帰初戦を白星で飾り、レベルの高さを肌で感じながら結果も得ることに成功した。ホーム開幕戦で連勝を達成すれば、自信は確信へと変わり、周囲からの目も変わるはずだ。
ただ、大宮の立ち位置が挑戦者であることは自覚している。経験豊富な塩田は言う。「J1ではここから厳しい戦いになる。スカウティングでウィーク(ポイント)を見付けられて、そこを使われることもあると思う。僕らが臨機応変に、しっかり準備することが大事」
成功体験による自信は持ちつつ、おごることなく細部までこだわる―。その姿勢こそが勝利への近道であると、昨季をとおして大宮は学んだ。ブレることなく準備を続け、柏を迎え撃つ。(片村 光博)
■柏レイソル
走る柏。“走らされる”場面を減らせるか
走る日立−。柏レイソルの前身である日立製作所のサッカー部は、70年代にそのような愛称で鳴らしていた。ミルトン・メンデス監督の就任とともに、チームは40年ぶりの“先祖帰り”を果たそうとしているのかもしれない。開幕節(浦和戦・1●2)のトラッキングデータを見ると、スプリント(時速24km以上の走り)の本数は柏がJ1最多(210回)。昨季の柏は強度の高い動きを多用しなかったが、今季は走りの中身だけを見ても昨季と正反対のスタイルになっている。
チーム最多タイの30本を記録したDF輪湖は「カウンターを大事にしていて、出る機会も多いのでスプリントが増えている」とその理由を説明する。そして彼はこう続ける。「もっとできるという気持ちもある。これから増えていくと思う」(輪湖)。彼は走りの質についても「切り替えがちょっと遅いぶん、サイドハーフ(の外)を回り切れず、後ろでサポートしている場面が多かった」と反省する。ボールが前後を速く大きく動くぶん、SBがそこに付いていく作業はより難しいモノになる。しかし大津、エデルソンの両サイドにボールが入った瞬間にSBが追い越して数的優位を作れていれば、局面の攻略はずっと容易だ。走りの量と質をより高めることが、新生・柏の進むべき方向だ。
エデルソンは「ディフェンスでチームを助けるためにスプリントが多くなった」とも説明する。今季の柏はアタッカーが前に張ることを求められ、出し手から遠い距離感でパスを受ける場面が多い。ボールを失ったときにはより長い距離を走り、大きなスペースを埋めねばならない。このような“走らされる”場面を減らすことも今後の課題だ。(大島 和人)