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最高のエンターテインメントの陰にはミスでの失点あり
第三者から見れば間違いなく最高のエンターテインメントだったものの、当事者である選手や監督からすれば、悔しさや不満が大部分を占める。中山(沼津)に並ぶJ1通算157ゴールとなる先制点を決めた大久保も「マジでうれしくない。こういう試合になったので」と言い放ち、芸術的な二つのゴールと貴重な同点弾をアシストした小林の表情は、敗北を喫したかのような暗さだった。
川崎Fとしては20分にオウンゴールと判定されたチョン・ソンリョンに対するキリノのチャージは不可解なモノであり「あれさえなければ」と思う気持ちも間違いなくある。一方、「10対0で悔しさが勝る」とは、湘南の石川の言葉だ。
13分に大久保が決め20分に湘南の同点弾が決まる。38分に菊池の勝ち越し点が決まって以降、互いが交互に放った計3つのシュートがネットを揺らし、前半で3-3になるという稀に見るゲーム展開だった。後半に両者が奪ったゴールは川崎Fの技術と湘南のダイナミックさという互いの色が出たモノだが、それぞれが喫した失点を振り返ると、個人単位でのミスというのが正直なところ。湘南の1失点目、川崎Fの2、3失点目は明らかにそれに該当する。“湘南らしさ”が詰まった岡本の4点目も、中野の甘いマークゆえに生まれた。そう考えると、冒頭の選手たちの言葉や表情がうかがえるのも納得ができる。
風間監督も「普通であれば起こしてはいけないミスを犯し過ぎた」と怒りを露わにした。とはいえ、ミス一つが一つの失点に直結するということをリーグの第2節という早い段階で確認できたことは、両者にとって苦いながらも良薬となるかもしれない。(竹中 玲央奈)