Photo: Atsushi Tokumaru
水戸、狙いどおりの試合運びも、柿谷のJ復帰後初ゴールに屈す
クラブ史上最多の10,420人もの観客の前で意気上がる水戸を沈めたのは、C大阪が誇る二人の代表経験者だった。
前半はC大阪が押し込む展開が続いたものの、水戸はコンパクトな陣形を保って粘り強い対応を見せ、0-0のまま試合を進めた。後半に勝負を懸けるプランどおりの試合運びができていた水戸に絶好のチャンスが訪れたのは前半終了間際の45分。右サイドからのクサビのパスをゴール前で受けた三島がキープし、最後はロメロ・フランクが右足を振り抜く。シュートはゴール右に外れてしまったものの、徐々に攻撃の歯車がかみ合いだし、攻め切ることができるようになってきていた。後半に向けて勢いを付ける攻撃だったことは間違いなく、良い形で前半を終われるかと思われた。しかし、その直後に落とし穴が待っていた。
そのシュートの直後、C大阪のGKキム・ジンヒョンが素早く蹴ったゴールキックは風に乗って、水戸DFの裏に走り込んだ柿谷にドンピシャリ。そのまま柿谷が持ち込み、GKとの1対1を冷静に沈めて均衡を破った。水戸にとっては悪夢の展開。「GKのロングキックが飛ぶことは分かっていたし、それを狙ってくるという分析があったにもかかわらず、チームとしてスキを作ってしまった」と兵働は唇を噛んだ。
水戸は65分以降、頻繁にシステムを変え、相手に守備の的を絞らせずに攻め込んだ。78分には相手のパスミスを三島が奪い、最後は萬代がシュートを放つもGKがセーブ。その直後には両サイドから怒涛の攻撃を繰り出し、右からのクロスを萬代がヘッドで合わせたが、これは枠を外れた。結局最後まで、冷静に試合を進めるC大阪のゴールを破ることができず試合終了。「ウチの良さは出せていた」と西ケ谷監督が振り返るように、90分間狙いどおりの試合運びができていただけに前半終了間際の失点があまりにも痛かった。C大阪のしたたかさに水戸は屈した。(佐藤 拓也)