Photo: Atsushi Tokumaru
■ベガルタ仙台
ユアスタに歓喜をもたらす。昨年8月以降ホームで勝利なし
ここまで1勝1敗。楽観も悲観もできない成績だが、まず仙台が今節目指すのは昨年8月12日のJ1・2nd第6節・松本戦(3○1)以来のホーム戦勝利。ユアスタにひさびさの歓喜をもたらしたい。
そのためには“Build Up”という今季のスローガンを実践することが必要だ。渡邉監督はこの言葉に「仙台の新しいスタイルや攻撃を“組み立てる”」、「チームを厳しく“鍛え上げる”」、「復興のシンボルとなり、“興す”」という三つのニュアンスを込めた。3月11日を経て迎えるこの試合で三つ目を意識することはもちろんだが、技術的には、一つ目の“組み立てる”部分について、修正が望まれる。
開幕戦の横浜FM戦(1○0)は得点場面で三田が「攻撃にどんどん加勢するチームの形に、ボランチから出て行って点を取れた」と手ごたえを話したように、しかけどころでスピードアップし選手間の距離を詰めて攻撃の厚みを増すスイッチが入った。理想としてはサイドでも中央でも、状況に応じてこのような場面を増やせればいいのだが、続くFC東京戦(1●2)ではショートパスに偏りがちで、攻撃が単調になってしまった。ボランチなど後方のポジションが攻め上がるタイミングをつかみ損ねたり、ロングパスを入れてリズムを変えることを忘れたり、それ以前に硬さでイージーミスが出たり、というところで勝負を落とした。
その反省もあり、「(人やボールの)出し入れをするのか、あるいはシンプルに相手ゴール前を陥れるのか、整理が必要」(渡邉監督)という目標の下、今週のトレーニングを進めている。また、7日のJ3・盛岡との練習試合(2●3)では速攻と遅攻を使い分け、復帰したハモン・ロペスが2得点。新しい刺激を加え、試合巧者の鹿島の予測を上回る攻撃を構築したい。(板垣 晴朗)
■鹿島アントラーズ
無失点で2連勝の鹿島。カイオ、土居、鈴木など控えメンバーも充実
前節の鳥栖戦(1○0)は“勝って兜の緒を締める”ことができた一戦と言えるだろう。連勝を続けつつ、足元を見つめ直せたのは大きい。ただ、改善すべき点を修正して臨みたかった今節だが、6人(昌子、植田、永木、遠藤、柴崎、金崎)が日本代表候補、3人(町田、久保田、垣田)がU-19日本代表候補としてチームを離れていたため全員がそろったのが試合前々日の10日から。動きを合わせることで精一杯だった。紅白戦の内容も、控え組に入ったカイオに2得点を許すなど、主力組は終始押される展開となった。鳥栖戦もそうだったが、全体的な動きの重さが試合に影響を及ぼすかもしれない。
とはいえ、守備は安定している。特に日本代表候補合宿に参加した昌子と植田のCBコンビは堅さを見せ、2試合連続完封に貢献。だからこそ、自分たちがどう見られているかは本人たちがよく理解している。
「鳥栖のときは候補に選ばれた直後の試合で注目されたし、今回は合宿のあとの試合。これで仙台に負けたりしたら一番言われるのは俺とナオ(植田)。『代表にいって調子に乗って帰ってきた』と叩かれる」 昌子は、この試合の重要性を強く認識している。気持ちを切り替えて臨まなければならないだろう。さらに、戦い方も変えねばならない。代表チームでは縦の速さを優先するが、鹿島では相手を揺さぶることが求められる。ラインの上げ下げについてもコンセプトはまったく違ってくる。前節の内容を踏まえると、さまざまな意味で細心の注意が必要だ。
ただ、それが些細なことに思えるほど、控えメンバーは充実している。カイオはキレ味を増しており、土居も好調。鈴木、永木などを含め、いつ先発が入れ替わってもおかしくない状況だ。(田中 滋)