目の前の勝ち点3を取り逃がすも、わずかに前進
主将の大谷は「試合前のミーティングでも、監督から今日(12日)が最後と聞いていた」と口にする。柏は勝てなかったが、ミルトン・メンデス監督の退任が決まっている不安定な状況下で今季初の勝ち点を奪った。
良い出足を見せつつ、早い時間に相手のファーストチャンスを決められる―。前節(大宮戦・0●2)と悪い意味で似た前半の流れだった。柏は27分にディエゴ・オリヴェイラ、44分に大津と決定機はあったが決められずにハーフタイムを迎える。しかし“死せるメンデス”は後半開始と同時に田中、山中を起用し“生ける名波”を走らせる。64分にも武富を投入し、30分近くを残して交代枠を使い切る背水の陣を敷いた。
磐田の名波監督は「主導権を握ったという勘違いをしたために(先制後の)75分間、非常に苦労した」と振り返る。磐田は時間の経過とともに縦パスに踏み込んでつぶす守備のアグレッシブさが薄れ、柏の勢いに押し込まれていた。
柏は55分に同点に追い付くと、78分には田中が復帰後初ゴール。1勝をようやく手中にできるかと思われた。しかし大谷は「相手がボランチの選手を落として、3バック気味でボールを動かしていた。人をつかむところでズレが出た」とその後の展開を悔いる。磐田は両サイドがフリーになる形から、クロスボールを繰り返し打ち込み、90分の同点弾も太田の右クロスが起点になった。
監督の去就がどうあろうと自身とクラブのために勝ち切らないといけない試合だった。しかし田中、武富らメンデス体制下では控えだった選手の活躍や、悪い流れからくじけずに戦い抜く姿勢で柏が半歩、いや3分の1歩の前進に成功した試合だった。(大島 和人)